ロシア戦車なぜ「丸太」を積んでいるのか 意外と万能アイテム ウクライナでどう使う?

自衛隊の戦車も丸太積むの?

 このように、ロシア軍では丸太を簡便な悪路脱出器材として用いていますが、自衛隊では使っているのでしょうか。その答えは「Yes」です。

 たとえば、北海道の東千歳駐屯地に所在する第11普通科連隊の73式装甲車は、車幅とほぼ同じ長さの丸太を搭載しています。各車両一本しか積んでいませんが、現場の隊員の話だとこれで十分だそう。もし足りない場合は、他の車両から融通してもらって複数本並べるそうです。

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車体後部に丸太を積んだロシア軍のT-72B戦車。赤い矢印で指したのが丸太(画像:ロシア国防省)。

 この丸太ですが、自衛隊の戦車にはほとんど積まれていません。74式戦車などは積んでいる姿が見られましたが、90式戦車や10式戦車ではほぼ積んでいません。なぜならば、74式戦車以降の戦車は姿勢制御が可能で、車高を高くすることができるからです。そのため、スタックしたとしても車高を調整することで、自力脱出できるからのようです。そもそも、日本にはウクライナ周辺のような泥濘化する土地はほぼないことから、国内では考慮する必要がないともいえるでしょう。

 ちなみに、この戦車+丸太の組み合わせですが、始まりは戦車を本格的に運用し始めた第2次世界大戦の頃といわれており、当時の写真を見ると車体側面に丸太を積んでいる戦車などを確認することができます。

【装甲車の場合は前】丸太を積んだ73式装甲車&IS-3「スターリン」重戦車ほか

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