「反自衛隊」県民感情は半世紀でどう変わった? 元陸自トップが語る沖縄の重要性

沖縄が本土に復帰してから50年が経ちました。いまから半世紀前の沖縄はどのような状況だったのか、自衛隊に対する風当たりはどれほどだったのか、沖縄駐屯部隊を原隊とする元陸上幕僚長に話を聞きました。

故郷の沖縄を護るために奮闘

 このような場所に自ら希望して行こうと思う自衛隊員はまずいません。しかし、困難な状況のなか、桑江氏は第1混成群長、そして第1混成団副団長、さらには第1混成団長としてさまざまな対応にあたり、移駐直後から始まった「沖縄派兵反対デモへの対処」「住民登録保留問題」「不発弾処理」「急患空輸支援」「遺骨収集支援」「車両の右側通行問題」「沖縄での訓練実施問題」などを的確に処理して、見事なまでに全隊員の心を一つにして沖縄の陸自部隊の礎を築かれた方です。

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北熊本駐屯地で行われた臨時第1混成群の創隊式の様子。群旗を授与するヘルメット姿の壇上の隊員(向かって右)が桑江良逢臨時第1混成群長(画像:陸上自衛隊)。

 桑江氏は沖縄出身のため、沖縄戦では祖母、母、弟の家族全員と多数の親戚縁者、知人、友人が亡くなり、さらに満州時代の上司、同僚、部下などの多くが散っていったそうです。ゆえに、沖縄は桑江氏にとって「聖地」「聖域」であり、ここを守護するのが沖縄部隊指揮官の務めと受け止めたとも聞いています。

 また連隊長経験者が、後に群長になるのも極めて異例のことです。なぜなら、部隊規模を比べた場合、混成群は連隊よりも格下だからです。そのため、周囲にはかなり反対の意見もあったようですが、あえて沖縄の部隊指揮官を希望したことからも桑江氏の祖国防衛と沖縄への強い想いを感じざるを得ません。

 私が感じた桑江氏は、体格は小柄だが、豪放磊落、謙虚、誠実な人柄で、話しぶりはユーモアに富んでおり、万人が認める尊敬すべき大きな魅力を感じる大人(たいじん)でした。

 首里(現那覇市北東部)にあった泡盛のつくり酒屋の生まれと聞いていますが、泡盛を飲む姿が実に美しく、家に呼ばれ奥様の手料理を頂きながら軍隊勤務、自衛隊勤務での逸話を聞くことは実に楽しかったのを覚えています。

 まさに将帥たる部隊指揮官であり、真の軍人でした。私は将来、桑江氏のような男、指揮官になりたいと思い、部隊勤務を続けました。

【写真】沖縄に移駐する陸自部隊&1970年頃の沖縄の風景

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