「反自衛隊」県民感情は半世紀でどう変わった? 元陸自トップが語る沖縄の重要性

沖縄が本土に復帰してから50年が経ちました。いまから半世紀前の沖縄はどのような状況だったのか、自衛隊に対する風当たりはどれほどだったのか、沖縄駐屯部隊を原隊とする元陸上幕僚長に話を聞きました。

沖縄部隊OBとして南西諸島防衛を憂う

――これからの在沖縄自衛隊部隊の将来への展望や想いなどを、第1混成団OBとして一言お願いします。

 私が自衛隊に入隊した頃はソ連(当時)の北海道への侵攻の蓋然性が強いと言われていた時期で、在道部隊が最前線部隊であるという認識が強くありました。しかし1991(平成3)年のソ連邦崩壊で冷戦が終結、アメリカの1極体制になったのち、テロとの戦い、そして中国の台頭やロシアの復活などにより、結局、世界から対立はなくなるどころか、かえって米欧日等の民主主義国家と、中露北鮮等の専制主義国家の対立は深まっています。

 我が国を取り巻く安全保障環境は、核兵器を保有するロシア、中国、北朝鮮といった国々に囲まれる一方、アメリカの軍事力の相対的後退によって、今までで一番厳しい状況にあるといえるでしょう。

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航空自衛隊のYS-11輸送機から降り、沖縄入りした臨時第1混成群の隊員たち(画像:陸上自衛隊)。

 中国は巨大な軍事力を背景として、力による現状変更の試みを平気で実施できる国であるとともに、台湾併合は習近平国家主席の最終目標ともいわれています。「台湾有事は日本の有事」と言われるのは、万一、台湾有事が起きたら南西諸島エリアは戦域に完全に入ってしまうからです。

 現在、南西地域防衛のため陸上自衛隊は南西地域に部隊を新編、拠点を拡大し、南西防衛態勢を強化しており、今後、この地域を担任する第15旅団に課せられた役割は現実味を帯びてきているといえるでしょう。それとともに南西地域における陸海空自衛隊の統合化も推進しておくべきです。その上で、日米の共同訓練を沖縄で頻繁に実施することも必要になるでしょう。

 沖縄部隊のOBとして、また沖縄を心から愛した桑江良逢氏の意図を具現する意味からも、沖縄を含む南西地域の防衛態勢を強化し同地域への侵略を抑止することが、まず必要だと考えます。沖縄に中国の侵略を許してはなりません。自衛隊には侵略に対処し、県民保護のための備えが必要です。「平和」と唱えるだけで何も手を打たないと、平和が破られたときに対処できないでしょう。

 第1混成団の伝統を受け継ぐ第15旅団の発展を心から応援していきたいと思っています。

【了】

【写真】沖縄に移駐する陸自部隊&1970年頃の沖縄の風景

Writer:

子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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