フィンランドNATO加盟で急接近? 日本との防衛技術協力なるか 陸自が注目する装甲車以外にも

まだまだあるフィンランドの良さそうな装備

 装輪装甲車以外でも、フィンランドとのあいだで防衛装備品の技術協力が可能な分野が数多くあると筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は思います。

 海上自衛隊は第二次世界大戦の教訓から、潜水艦と機雷による通商破壊の阻止を重視していますが、その点はフィンランド海軍も共通しています。パトリアはフィンランド海軍のニーズに対応する沿海域用対潜水艦戦システムや、潜水艦が敷設した機雷を音響効果で無力化する新型掃海装置「SONAC ACS」なども開発しており、これらの防衛装備品とその技術は、海上自衛隊の能力向上に寄与するものと思われます。

 防空装備の面でも、パトリアはフィンランド空軍のF/A-18C/D戦闘機の訓練効率を高めるため、シミュレーターと実機を連動させた訓練システムを開発しています。フィンランド空軍はF/A-18C/Dを後継する新戦闘機として、航空自衛隊も導入しているF-35Aの採用を決定していますが、一足早くF-35Aの運用を開始した航空自衛隊の知見と、この先進的な訓練システム技術を組み合わせることで、F-35の訓練に最適化した訓練システムの共同開発などもできるかもかもしれません。

【了】

【戦場のタクシーにも】陸自が注目する「AMV XP」の利用例

Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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