チェコの戦車いいじゃん! スイスが欲した「ヘッツァー」派生の駆逐戦車G-13 何がよかった?
第2次世界大戦中に約2800両も造られた駆逐戦車「ヘッツァー」。ドイツ軍の兵器ながら、チェコで開発と生産が行われた戦闘車両に、戦後スイスが目を付け160両も新規調達しています。では、なぜ購入を決めたのでしょうか。
ドイツにも比肩する優れた工業国 チェコスロバキア
戦争で負けた国の優れた兵器を戦勝国や第三国がそのまま使うという例は、枚挙にいとまがありません。ただ、なかには優秀だからと戦後にわざわざ新規生産し大量調達した例も。その代表例のひとつがスイス軍のG-13駆逐戦車です。
そもそも、スイスのG-13駆逐戦車は、ドイツが第2次世界大戦末期にチェコで開発・生産した軽駆逐戦車「ヘッツアー」の小改良型です。同車にスイスがなぜ着目するに至ったのか、そこには理由がありました。
第2次世界大戦がはじまる前の1938(昭和13)年から翌1939(昭和14)年にかけて、アドルフ・ヒトラー率いるドイツは、チェコスロバキアを解体・併合しました。それは流血をともなう強硬手段に訴えたものではなく、政治的に行われたので無血で成し遂げられます。
当時のチェコは中欧でも有数の工業国でした。軍需産業では、機関銃や火砲などで優秀な製品を作っていましたが、その高い工業力ゆえに独力で戦車を開発・生産できる、世界でも有数の国でもありました。そのことは、同国のシュコダ社が生産していた「LTvz.35」と、?KD社(後にBMMへ改称)が開発した「LTvz.38」を、占領国ドイツが前者を35(t)戦車、後者を38(t)戦車としてそのまま採用し、生産させ続けたことからもわかります。
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