フィンランドNATO加盟で急接近? 日本との防衛技術協力なるか 陸自が注目する装甲車以外にも

NATO加盟を申請したフィンランド。これまで日本とのあいだで防衛技術協力はほとんど行われていませんでしたが、ここへきて距離を縮めつつあります。フィンランドにはどのような装備品があるのでしょうか。

三菱案vsパトリア「AMV XP」

 陸上自衛隊が注目しているのは、フィンランドの防衛・セキュリティ企業パトリアが開発した装輪装甲車「AMV XP」です。

 陸自は現在、運用している96式装輪装甲車を後継する車両の検討を進めています。次期装輪装甲車の候補として、複数の装甲車を導入し評価試験を行い、その結果を踏まえて採用する方針です。AMV XPは、三菱重工業が提案した「機動装甲車」と共に試験車両へ選定されています。

 AMV XPはパトリアが開発した装輪装甲車「AMV」の能力向上型です。AMVは防御力の高さで知られており、たとえばポーランド軍がアフガニスタンに派遣したAMVは、イスラム原理主義武装勢力による攻撃を何度も受けたにもかかわらず少ない損害で任務を達成しました。攻撃が効果を上げないことに苛立ったイスラム原理主義武装勢力から、車体の塗装(濃緑色)に由来する「緑の悪魔」というあだ名を付けられたという逸話もあります。

 加えて、AMVよりも高く、極めて強靭な防御力を備えており、車体前面は30mm機関砲弾の直撃に耐えるそうです。

Large 20220521 01
フィンランド(左)とスウェーデンの加盟申請書を受領したNATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長(画像:NATO)。

 96式装輪装甲車の後継をめぐっては、いったんはコマツが提案した装輪装甲車(改)が採用されています(防弾性の不備などから、その後白紙に)。これは、モジュールの交換により様々な用途に使用できるというコンセプトの車両でしたが、フィンランドのAMVは“Armored Modular Vehicle ”直訳すればモジュラー装甲車という名前が示す通り、モジュールを交換することで、装甲兵員輸送車としてだけでなく、装甲救急車や指揮通信車としても使用することができます。

 また、装輪装甲車(改)の開発で重視されていた車内容積の大きさについても、AMV XPは十分に確保されており、装輪装甲車(改)計画を仕切りなおす形で計画が進められている次期装輪装甲車に選定されるだけの能力は十分備えていると言えます。

【戦場のタクシーにも】陸自が注目する「AMV XP」の利用例

ロシア軍のウクライナ侵攻 最新情勢 戦争はどうなっているのか

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  1. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  2. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス