異色の新型機「A321XLR」ついに初飛行! 「通路1本なのに航続距離8700km」なぜ実現?

東京からだと、オーストラリアまでいけちゃうそうで…。

8700km飛行可能

 エアバスが開発を進めている新鋭旅客機「A321XLR」(機番:F-WXLR)が、2022年6月15日の現地時間午前11時過ぎ(日本時間18時すぎ)、ドイツ・ハンブルクで初飛行しました。この機は、エアバスのベストセラー単通路旅客機、A320ファミリーの胴体延長タイプ「A321neo」をベースとした派生型。最大の特徴はその航続距離で、それは型式末尾の「XLR(エクストラ ロング レンジ・超長距離)」の文字にも示されています。

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離陸するA321XLR(エアバスのギヨム・フォーリCEOの公式Twitterアカウントより)。

 A321XLRの航続距離は約8700km(4700海里)で、A321neo長距離型であるA321LRよりも、さらに15%距離が伸び、この能力は「単通路型で最長」とのこと。東京を起点とした場合、シドニーやデリー、アンカレッジ(アラスカ)までノンストップで飛行が可能としています。

 この機では通常の主翼部、中央翼(主翼と胴体の結合部)部分のタンクに加え、中央翼の少し後ろに「リアセンタータンク(RCT)」と呼ばれるタンクを設置。このことで従来機より、1万2900Lの燃料の搭載が可能となり、この長い航続距離の実現につなげたそうです。また、長距離飛行向けの大きな廃水タンクなども設置されるなど、ベースとなっているA321と比べると各種の改修がみられます。

 通常、短距離路線を担当することの多い単通路旅客機のなかでは、ある種”異色の新型機”となるA321XLR。実用化された場合、大きな需要のない長距離路線にも就航できることから、航空会社が路線ネットワークを広げやすくなるというメリットがあります。

【了】

【写真】最終組立中の「A321LR」

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