「門真市駅に京阪の優等列車を」市が検討開始へ “空港アクセス”改善なるか 18年越しの計画

停車には様々なハードルも

 それが2022年度に入り、ひとつの転機が訪れようとしています。門真市の作成した「門真市総合交通戦略(案)」の中で、「鉄道ネットワークの機能強化」の課題解決の事業のひとつに「京阪電車『門真市駅』への優等列車の停車」が盛り込まれたのです。

 具体的なアクションについては明記されていないものの、スケジュールでは、2029年度に予定している大阪モノレールの東大阪市延伸までに、鉄道事業者を実施主体として「優等列車停車についての検討」を行うこととなっています。

 門真市は「交通戦略として動くのは今回がはじめて」、京阪も「市と具体的な話が始まったのは2021年7月から」と話します。答申から18年が経過したいま、官民の連携が動き出す段階に来ています。

 とはいっても、「実現に向けた動き」ではなく、まずは「実現させるメリットがあるかどうかの検討」からのスタートとなります。

 というのも、ただ停車させるだけの単純な話ではないからです。最大の問題は駅構造で、現在の門真市駅は複々線の外側、各駅停車用の線路2本にホームがあるだけ。優等列車を停車させるためには、真ん中2本の線路側にもホームを設置しなければならず、駅の敷地も「外に膨らむ」ことになるため、用地買収も必要となってきます。

 鉄道事業者による単独工事は負担が大きいため、国土交通省の何らかの事業に盛り込まれ、補助金の交付を受けて行うこととなりますが、その事業認可に向けても、十分な費用対効果を見通さなければなりません。それが現実的であるかどうか、まずは見極めるための調査が始まっていきます。

【了】

【「門真市駅 優等列車停車」構想の詳細】

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