戦車の乗員は3名か4名か “乗員増”の兆しナゼ 省人化では「戦場を生き延びれない」?

何事も省人化というなかで、戦車はその逆の傾向を見せています。最新式の戦車は、2名定員ならば3名、3名定員ならば4名も可能としたり、なかには「4名」と明言するケースも。増える人員の役割こそが、今後を左右することになりそうです。

4名→3名 いったんは減った 今4名にする理由

 陸上自衛隊で初めて砲弾の自動装填装置を装備した90式戦車が配備された当時、乗員が74式戦車(4名)から1名減ったことにより、点検や整備の際の乗員1人あたりの負担が増加したことなどから、部隊の評判は必ずしも芳しいものではなかったと言われています。

 しかし今回発表されたKF51が4名の搭乗を可能とし、EMBTが乗員を4名とした理由は、乗員1人あたりの整備や点検の負担を減らすためではありません。

 KF51はオプションで砲塔後部に格納式のUAS(無人航空機システム)射出装置の装備が可能で、ユーロサトリで展示された車体は射出装置を備えていました。EMBTはUASの射出装置は備えていませんが、偵察や目標の捜索にUASを使用することを前提に開発されています。

 ラインメタルはユーロサトリで、UGV(無人車両)「ミッションマスターXT」に徘徊型弾薬(自爆突入型ドローン)「Hero」の6連装ランチャーを出展していますが、ラインメタルは“これから開発される戦車には、火力を強化するUGVとの協働が必須”になると考えており、戦車の車内からUGVを操作できるソフトウェアキット「PATH」を開発しています。

 UASの飛行やUGVの走行は自律化されていますが、これらが収集した情報を基にどのような判断を下すのかは、人間である戦車の乗員の手に委ねられています。欧米ではUASやUGVによる攻撃を行う際、攻撃の判断は機械任せにせず、必ずオペレーターが介在することが求められています。

Large 20220707 01
KF51「パンター」の砲塔後部に設けられた格納式UAS射出装置(竹内 修撮影)。

 KF51の4人目の乗員の役割は限定されておらず、戦車の指揮を執る車長より高位の指揮官などの搭乗も想定されていますが、ラインメタルの担当者はUASやUGVのオペレーターが必要に応じて搭乗する可能性が高いと述べています。一方のEMBTについて、KMWネクスターは4人目の搭乗員をUASやUGVのオペレーターであると明言しています。

【現場写真】「自爆ドローン6連装ランチャー」搭載の無人兵器

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  2. 都市に迫るロシア軍の「弾道ミサイル」が“空中で木っ端みじん”になる瞬間をウクライナ軍が公開 追尾から撃墜まで詳細に
  3. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  4. 海自潜水艦 アメリカ海軍の“歴戦の揚陸艦”を標的に魚雷発射! 実弾演習で巨大な水柱があがる瞬間を公開
  5. 旅客機の右エンジンに「侵入者」が直撃! 離陸直後に“炎が吹き出す”戦慄映像が公開される
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  3. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開