海をゆく原発、30年無補給で航行の船… 造船業界「原子力」に熱視線 国際競争は始まっている

世界のエネルギー企業と造船業界が、「原子力」をめぐり急速に距離を縮めています。船型の原子力発電所や、その原子炉を動力に活用する高速船などが次々と計画。エネルギー危機を背景に、国際的な競争も激しさを増しそうです。

単なる電力供給だけじゃない 海の「よろずエネルギー工場」に?

 浮体式原子力発電所は造船所から、需要地の近くへと曳航されて設置されます。陸上への電力供給だけでなく、同じく海上に浮かぶバージ型のプラントと接続することで、海水を原料とした水素やアンモニア、「e-fuel」と呼ばれる合成燃料などの生産に活用、さらには真水を製造する海水淡水化プラントや、食料品や鉱物の大規模な加工を行う“海上生産プラットフォーム”を作り上げる構想もあります。浮体式の原子力発電所は、これらにエネルギーと熱を供給する中核として位置づけられているのです。

 一連のプラント群は、海があればどのような場所にも移動できるため、飲料水の確保が難しい地域の近くへの設置や、陸上に土地が用意できない地域の雇用を生み出す工場としての役割も期待されているといいます。

「日本の海運会社や造船会社からは、非常に良いリアクションをもらっている。現在、造船所とは初期的な設計コンセプトの協議を始めており、構造物を作るために必要なことを洗い出しているところだ」(ボーCEO)

メルトダウンも爆発もしない?

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コア・パワーが開発中のMSRのイメージ(画像:コア・パワー)。

 浮体式原子力発電所の文字通り核心部となる想定の溶融塩炉(MSR)は、核燃料としてウラン酸化物を混ぜた常圧の液体燃料(溶融塩)を用いる非加圧型の原子炉です。

 原子炉を囲む圧力格納容器が必要なく、燃料は液体に混合された酸化物であるため、炉を稼働させるための複雑で高価な燃料集合体も不要という点が特長だといいます。また装置として可動部が少なく、燃料集合体や冷却水の交換が不要なため、外部環境から遮断された密閉チャンバーで約20年以上にわたって稼働することが可能なのだそうです。

 このため、従来の加圧水型原子炉(PWR)では大きなリスクとなっていたメルトダウン(炉心溶融)や爆発といった重大な事故は発生せず、放射性物質を大気中に放出することもない、とされています。大型のPWRでは周囲80km、小型モジュール炉(SMR)でも周囲10km以上が緊急時計画区域(EPZ)とされますが、これを、メートル単位まで狭くすることができるということです。

【原発、だけじゃない】海に浮かぶ「複合クリーンエネルギー工場」のイメージ 画像で見る

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コメント

2件のコメント

  1. もし「20キロ以内立入禁止」級のトラブルに見舞われたら沖合20キロのところまで漕ぎ出してゆくことで陸地に帰宅困難地域を創らないようにする、というコンセプトなのでしょうか

  2. で、そういう原子炉の燃料は、核拡散禁止条約の対象で、核保有国じゃ無いと管理できんのだがな。

    世界は技術だけで廻っていないのだよ。

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