異例の早さ 米独の政府専用機 安倍元首相の事件から間髪おかず都内へ 来日した真意と役割
7月10日から翌11日にかけて、アメリカとドイツの政府専用機が要人を乗せて都内に飛来しました。安倍元総理大臣の急逝に伴うものですが、弔問外交にしても異例の早さです。なぜこの2国だけ早々と来たのでしょうか。
もともと立ち寄る予定なかった米要人輸送機
2022年7月10日から11日にかけ、アメリカとドイツの政府専用機が相次いで東京都内に降り立ちました。10日午後10時ごろにはドイツ空軍のエアバスA340-300が同国のアナレーナ・ベアボック外務大臣を乗せて羽田空港に、11日午前7時過ぎにはアメリカ空軍のC-32Aがアントニー・ブリンケン国務長官を乗せて横田基地に着陸しています。
首脳会談も予定されていないなか、珍しく特別機が重なって飛来した背景には、7月8日に安倍元首相を襲った事件と、それぞれの外交日程がありました。
政府専用機といえば、日本では天皇や首相といった首脳が外国へ移動する際に利用するというイメージが強いのではないでしょうか。航空自衛隊の特別航空輸送隊が運用しているボーイング777-300ERは、首相特使の派遣や避難民輸送などに使われた例はあるものの、それについては数えるほどしかなく、基本的には首相の外遊がメインになっています。
一方で、アメリカやドイツなどは外交のトップが政府専用機を使用して長距離の移動を行っています。
アメリカの場合、コールサイン「エアフォースワン」で知られるVC-25Aが大統領専用機として活躍する一方で、国務長官の外国訪問ではボーイング757をベースにした要人輸送機C-32Aの姿を見かけます。アジアを訪れる際には航続距離の関係から、横田基地に給油のため立ち寄ることもあることから、日本で写真に収める機会が比較的多い機体となっています。
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