韓国で初飛行KF-21の「戦闘機世代分類問題」でも争点に? 「ウエポン・ベイ」の歴史とは

初飛行を果たした韓国の戦闘機、KF-21の「戦闘機世代分類問題」における、ひとつのポイントとなっているのが、「ウエポン・ベイ」という機構です。どのようなもので、どのような歴史があるのでしょうか。

超音速時代「ウエポン・ベイ」流行は当然…と思いきや?

 第二次世界大戦を経たあと、軍用機の世界では、超音速飛行が可能な機体が数多く開発されることになりました。こういった高速飛行には、これまでのようにパイロンを介して兵器を吊り下げてしまうと、空気抵抗の観点から好ましくない状況です。そのため、F-101やF-106などの戦闘機はミサイルや爆弾を機体下面の「ウエポン・ベイ」に搭載しています。

 F-102やF-106は、アメリカ本土防空用に開発された迎撃戦闘機です。開発上の第一のテーマが、高空にいち早く達すること。そのため可能な限り空気抵抗を少なくすることが最優先であったほか、本土防空という用途であれば、アメリカの領域内で充実したサポートを受けられる可能性も高いことから「ウエポン・ベイ」を搭載していたのでしょう。ちなみに、B-1などをはじめとする超音速飛行を前提とする戦略爆撃機でも、外部突起による空気抵抗増大を避けるため「ウエポン・ベイ」が採用されていました。

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戦闘機F-35A「ライトニングII」(画像:アメリカ空軍)。

 一方、先述したモデルよりあとに開発された、F-15やF-16といった戦闘機に「ウエポン・ベイ」は無く、爆弾や偵察機器などを翼下や胴体下に搭載。これは装置の作動に関する信頼性の問題や、最前線の飛行場における兵器の搭載時間の短縮などの観点から、外部搭載方式を採用したと思われます。また、特に空母を基地とする海軍機などは「ウエポン・ベイ」装備の機体は少なく、A-4、F-14、F-18などは外部搭載方式を踏襲しています。

 冒頭にハナシを戻すと、F-22、F-35をはじめとする「第5世代」とよばれる先鋭戦闘機は、再び「ウエポン・ベイ」を採用しています。前述の作動技術の向上もそうですが、なによりこれらの機体の最大の特長でありテーマは、ステルス性です。外部搭載方式では、ステルス性が確保できませんから、おのずと「ウエポン・ベイ」を用いることになったのです。

 さて、「ウエポン・ベイ」非搭載のKF-21ですが、将来的に改修版も出るようですので、どのような改修が図られるのかが注目されます。

【了】

【写真】中身すげえ!「ウエポン・ベイ」丸見えで飛ぶF-22 &KF-21初飛行など

Writer:

成田空港隣の航空科学博物館元学芸員。日本初の「航空関係専門学芸員」として同館の開設準備を主導したほか、「アンリ・ファルマン複葉機」の制作も参加。同館の設立財団理事長が開講した日本大学 航空宇宙工学科卒で、航空ジャーナリスト協会の在籍歴もある。

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