函館本線「山線」140km廃止合意 駅で列なす通学生どうなる? 課題山積の転換バス問題

転換バス出しても都市間バスに食われる?【余市以南】

 余市町以南の後志(しりべし)地方南部(ニセコ町・倶知安町・共和町など)では、バスをできるだけ速達化させる要望もあるようです。

 現在、これらの地域から小樽・札幌へ直通する手段として、然別駅~小樽駅間でほぼ鉄道と並走する都市間バス「いわない号」、余市~小樽間で併走する「よいち号」「しゃこたん号」などがありますが、これらは国道5号経由です。

 しかし2018年に高速道路の後志自動車道が余市IC(余市の市街地から3kmほど南東、JR塩谷駅近辺)まで開通したことで、国道5号の余市中心部を経由せず移動できるようになりました。

 余市町以南の仁木町・共和町などでは、都市間バスの後志道利用を望む声もあるようです。また余市町も、いま市街地(ニッカ蒸留所横)にある道の駅をIC近くに移転させてバスターミナル化する構想を持っており、今回の協議会でも一部のバスを後志道経由に振り替える構想も話し合われています。

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仁木町内を走行する「高速いわない号」(宮武和多哉撮影)。

 かたや鉄道転換バスは倶知安~余市間で忠実に鉄道ルートをトレースし、余市で系統が区切られる見込みです。現状でも鉄道より本数が多い(1時間1~2本)「いわない号」などの動向によっては、ローカル輸送を担うであろう転換バスの需要が食われてしまう可能性もあります。

 ただし後志道は新幹線・新小樽駅予定地の近辺を通っているものの、そこは小樽市街地からかなり南側の山の中で、ICやバスストップの設置も現状では困難との判断がなされています。余市以南からの都市間バスが後志道を使うことで、札幌方面への直通ならば間違いなく時間を短縮できますが、小樽への移動を後志道でどこまで担えるかはまだ不透明です。

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コメント

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1件のコメント

  1. ありがとうございます。新幹線開業で並行在来線は、これまでのケースならば、とってもふざけたダッサイ会社名の第3セクターでの転換が一般的でしたが、新幹線開業と引き換えに在来線完全廃止は北海道ならではの特有の事情でもありますね。毎回思うのが、新幹線開業を祝う反面、平行在来線を手放す、つまり生活路線を犠牲にしてしまうと言う現実は否めないところであります。