「日本一営業期間が短い」津島ノ宮駅3年ぶりに営業! 「2日間しか渡れない橋」も JR関係者奮闘
津嶋神社、「仮面ライダーG3」もお参りに来たことがあるかも?
陸側の駅や遥拝殿の周辺には、香川県西部の名物「たこ判」やイカ焼き、チョコバナナや射的・ヨーヨー釣りなど、子供が目を輝かせること必至の屋台がずらりと並びます。ただこの神社は背後に山が迫っていることから境内が狭く、祭りの間は鳥居の横ギリギリまで屋台が立ち、狛犬に至っては「水笛」(水を入れると鳴る笛)などの玩具屋台のテントに取り込まれるほど。境内をフル活用しての屋台の出店も、ある意味、見ものです。
今回の夏季大祭が開催された時期は、新型コロナウイルスの感染拡大状況もあって、三豊市内でも中止を余儀なくされたイベントも。しかし津嶋神社の大祭は開催の要望がかなり多く、祈祷や花火大会の規模を縮小した上で開催されました。
もちろん津嶋神社はクルマを駐車場に停めて参拝することも可能です。しかし通常時に使われる駐車場は30台ほど。祭りの期間中のみ別途設置される臨時駐車場は、最大で2kmも離れた山の中腹にあり、行きはよいものの帰りは大汗をかいて坂を登ることになります。祭りの開催を告げるポスターでも、神社・三豊市・警察の連名で「津島ノ宮駅が設置されます。ぜひ列車をご利用下さい」と呼び掛けられていました。
そういった事情もあって津島ノ宮駅は毎年多くの人々に利用され、駅舎キャラクター「つしまのみやえきちゃん」が描かれ「日本一営業日が短い駅」と書かれた駅名標も、2015年の開業100周年イベントに合わせて整備されるなど、単なる臨時駅の域を超え、JR四国も盛り上げに一役買っています。
なお津嶋神社がある三豊市三野町(2006年までは三豊郡三野町)といえば、かつて『仮面ライダーアギト』で“決して逃げない男“氷川誠(仮面ライダーG3の装着員)を演じ、当時の子供たちに強烈な印象を残した俳優・要潤さんの出身地でもあります。いまや「うどん県副知事」「三豊ふるさと大使」としても活動する地元の大スター要さんも、子供の頃に津島ノ宮駅で降りて、この橋を渡ってお参りに来たことがあるのかもしれません。
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Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)
香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。
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