いよいよ開業「東京駅の新バスターミナル」 何が変わる? 利便性は? 全国で街の“核”になるBT

全国でバスターミナル建設ラッシュが始まっている

 運営する側からみて難しいのは、発着便があまりに多いことから、自由席/座席指定の違いや方面の違いによって、バースを使い分けるような面積の余裕がないことです。同一のバースに、自由席の通勤路線と長距離夜行路線、さらに一部の到着便が混在することになりそうです。乗客の案内には相当神経を使うはずです。

 運営を担当する京王電鉄バスは、旧・新宿高速バスターミナルを長年運営し、「バスタ新宿」の運営にも深く関わっています。蓄積されたノウハウを活用し、安全かつ円滑に運営されることを期待します。

 さて、2016年の「バスタ新宿」開業以来、街づくりの分野で高速バスターミナルに注目が集まっています。国土交通省では、法改正も行って、全国9か所の交通ターミナルを整備する「バスタプロジェクト」を進めています(一部は路線バス中心のターミナル。事業化が決定していないものも含む)。東京の浜松町や渋谷、さらには新大阪など、大都市部において、自治体や民間のプロジェクトも相次いでいます。

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東京駅から東へ延びる八重洲通りは多くのバスが通り、路上バス停も点在。左側の黄色い工事車両がある区画は、バスターミナル東京八重洲の第二期エリアが設けられる(乗りものニュース編集部撮影)。

 高速バス業界は、長らく、大都市の都心部における停留所不足に悩まされてきました。特に繁忙日の続行便(2号車、3号車)を設定できず、満席でお断りすることが増えたことがコロナ前の大きな課題でした。「バスタ新宿」の発着便数を見ると、コロナ前の8割弱にまで回復してきており、「バスターミナル新設ラッシュ」が高速バス市場の成長を後押ししてくれることを期待しています。

【了】

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Writer: 成定竜一(高速バスマーケティング研究所代表)

1972年兵庫県生まれ。早大商卒。楽天バスサービス取締役などを経て2011年、高速バスマーケティング研究所設立。全国のバス会社にコンサルティングを実施。国土交通省「バス事業のあり方検討会」委員など歴任。新聞、テレビなどでコメント多数。

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