バス乗車時「どちらまで?」と聞かれる…行先申告制のバスなぜ存在?

東京の路線バスには、「先払い」の均一運賃制と、「後払い」の区間運賃制がありますが、なかには乗車した際に「どちらまで?」と聞かれる「行先申告制の先払い」路線もあります。なぜこうも混在しているのでしょうか。

後払いにしないのにはワケがある

 しかしながら、異なる運賃地区をまたぐ区間運賃の路線ならば、他の多摩地域の路線と同様、「後払い」を採用しても問題ないようにも思えます。なぜあえて「行先申告制の先払い」なのでしょうか。

「付近の路線バスを運行する他社とも運用が統一されることや、降車の多い終点到着時のラッシュに、前後ドアを開放できることからスムーズに対応できます」(西武バス)。

 行先申告制は、運賃地区の違いというルールに則りつつ、運行をスムーズにするひとつの工夫といえそうです。一方で、「ご利用に慣れていらっしゃらない方には複雑に感じられる仕組みであることや、誤収受のリスクが他より高い」(西武バス)といったデメリットもあるといいます。

 例外もいくつかあります。

 たとえば、吉祥寺駅から大泉学園駅方面へ向かう西武バス吉61-1系統の終点は、埼玉県新座市の「新座栄」ですが、乗車時に行先は聞かれず、乗り通しても220円です。西武バスによると、「練馬区にかなり近い停留所ということから運賃統一区間として扱っております」とのこと。

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吉祥寺駅、保谷駅行きの西武バス乗り場。行先申告制である旨が告げられている(乗りものニュース編集部撮影)。

 また、関東バスが運行する吉祥寺駅~柳沢駅(西武新宿線 西武柳沢駅、西東京市)間の吉53系統も、西東京市内だけを利用する場合は180円なのですが、行先は聞かれません。西東京市内を走るのは終点付近のわずかな区間で、市内だけの利用はほとんどないことから、いちいち行先を聞かず、運賃箱に設置している案内板やバス停で運賃の違いを案内しているのだとか。これも、運行をスムーズにするひとつの工夫でしょう。

 このような「行先申告制の先払い」路線は、東京の他の事業者や、東京以外でも多々存在するものの、デメリットもあることから、ここ10年ほどで「後払い」に変更した事例もあります。

【了】

【一目瞭然】行先を聞かれる路線と理由 地図で見る

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