ところで「東九州新幹線」はどうなった? 大分・宮崎へ"大幅時短"の試算 現在の動きは?
開業効果はいかほど?
東九州新幹線の基本計画ルートは、博多~大分~宮崎~鹿児島中央。博多発着という点をのぞいて、ほぼ日豊本線と同じルートです。試算では小倉まで山陽新幹線と線路を共有することになっています。
「四国新幹線」の動きとは違い、まだ停車駅については基本設計がされていませんが、試算では県庁所在地の中心駅として、大分・宮崎の両駅が設置されることになっています。
小倉~宮崎間は現在、特急「ソニック」「にちりん」を上手く乗り継いで5時間強。博多~宮崎を直通する「にちりんシーガイア」は1日1往復のみです。一方、博多駅から九州新幹線で新八代駅まで行き、高速バス「B&Sみやざき」に乗り継げば、所要時間は3時間。あるいは高速バス「フェニックス号」で博多~宮崎を直行するのが一般的になっています。
もちろん、九州外から宮崎入りする場合は、飛行機利用が多数派でしょう。しかし、そこに新幹線が誕生した場合、鉄路で現実的な移動が可能になるかもしれません。
さて、その「東九州新幹線」実現に向けた動きですが、福岡・大分・宮崎・鹿児島の4県を中心に構成される「東九州新幹線鉄道建設促進期成会」が活動の主体となっています。直近で最大の成果は、2015(平成27)年度に行われた調査報告書です。
この調査報告書では、以下のような、すさまじい時間短縮効果が試算されています。
●北九州~大分:1時間23分→31分(52分短縮)
●大分~宮崎:3時間9分→48分(2時間21分短縮)
●宮崎~鹿児島:2時間9分→29分(1時間40分短縮)
これにより、大阪~宮崎が新幹線で4時間圏内に突入。飛行機移動に対抗できる利便性を手にすることになります。
整備費用は全線開業で総額約2兆7千億円と推計されています。うち、福岡・大分県内のみの建設費用は計1兆2千億円となっています。
事業化に必須の「費用対効果(B/C)」ですが、開業後50年が経過した段階で、経済効果など社会全体の便益により、最低条件の「1.0」を上回る試算が出ています。
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