日本戦艦「長門」もし米英の同世代艦とタイマン勝負したら? 旧海軍の象徴どこまで強かったか

第2次大戦前、旧日本海軍の象徴としてよく知られた存在であった長門型戦艦の「長門」「陸奥」。国産技術の粋を集めた「自慢の戦艦」は、米英の新型戦艦と比較した場合、どれだけの性能を誇っていたのでしょうか。竣工時で見てみます。

より強力なネルソン級戦艦とも互角に戦うことが可能

 第1次世界大戦の戦訓を反映して誕生したネルソン級戦艦は、長門型より1門多い40.6cm砲9門、330~356mm厚の傾斜式舷側装甲、強度の強い1枚板の159mm水平装甲(弾薬庫部。機関部は95mm)と、攻撃力、防御力の両方で優れていました。なお、速力23ノット(約42.6km/h)と、射撃精度の左右する測距儀のサイズについては長門型が上回っています。

 ネルソン級は主砲塔を艦の前に集めたことで射界が狭く、運動性能も劣悪でしたが、未改装の長門型では対抗が難しいほど、強力な戦艦でした。

 主砲は高初速軽量弾の採用で貫通力が乏しく、舷側装甲への貫通力は20km台で224~272mm、18kmで310mmと、長門型の305mm舷側装甲でも対抗できるものでしたが、ネルソン級就役時に「長門」に搭載されていた五号徹甲弾は、距離20kmで380mmの貫通力であり、傾斜したネルソン級の舷側を貫通するには、18km程度に近づく必要がありました。

 五号徹甲弾の水平装甲への打撃力は、20kmで127mm、15kmで102mmなので、ネルソン級の機関部は貫通できますが、弾薬庫部分の水平装甲貫通は非現実的でした。

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1921年、就航当初のアメリカ戦艦「メリーランド」(画像:アメリカ海軍)。

 ちなみに、同じ41cm砲でも、時期によって貫通力が全く異なります。理由は逐次、砲弾が改良されているためです。垂直装甲への貫通力は以下の通りです(貫通力は諸説あり)。

・三年帽(就役時):20kmで348mm、15kmで470mm

・五号徹甲弾(1924年ごろから搭載):20kmで380mm、15kmで510mm

・九一式徹甲弾(大改装後に搭載):20kmで454mm

 新しい砲弾では弾体強度の強化や、遅動信管の開発により、斜撃での貫通性能や、装甲貫通後の打撃力もずっと大きくなっています。また、空力性能の改善もあり、同じ仰角30度で発射した場合でも、五号徹甲弾が33kmに対して、九一式徹甲弾は33.3kmと射程も伸びています。

 大改装で主砲仰角を増したこともあり、長門型は九一式徹甲弾使用時に38.43kmの射程を得ています。ネルソン級は徹甲弾使用時で最大射程36.358km、コロラド級は最大射程31.36kmで、実戦ではそれほど意味はありませんが、射距離では勝っていたと言えるでしょう。

 就役時の長門型戦艦は、概ね世界最強と呼べる戦闘能力を持ち、その6年後に就役したネルソン級戦艦に対しても、ある程度対抗できる戦力だったようです。日本が金剛型で最新の戦艦建造技術を得てから、わずか8年間で世界トップレベルの性能を誇る戦艦を建造したことは、誇ってもよいことだと筆者(安藤昌季:乗りものライター)は考えます。

【了】

【写真】戦艦「霧島」「日向」「伊勢」と並ぶ「長門」ほか

Writer:

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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コメント

4件のコメント

  1. 辞めてくれないか?! 情報戦で負けてまだ掘るのか?そんな暇合ったら子供にコンピューターの言語でも教えた方が日本のためのなるはず。人口減と高齢化を本当に考えた方がいいよ。

    • あなたはコンピュータ言語より日本語勉強した方が良さそうですね

  2. お粗末。日本の製鋼技術との比較や信管性能を勉強したほうが良い。長門の改造はなぜ行われたのかよく考えたら。

  3. いや、長門は改装されたあと水平防御など強化されてるし多重防御の見本みたいな構造ですよ?

    ネルソン?長門型は条約明けの戦艦とも殴り合える性能を持っています。

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