「日本一東にある空港」は館内も超ユニーク!? 異例の“木造空港” 中標津空港へ行く

超“木推し”! 中標津空港の館内とは

 中標津空港の“木”推しはなにも建物そのものだけではありません。

 検査場前にあった椅子とテーブルも木製。機能一点張りではなく、どことなく家庭のリビングルームにも似合う柔らかな雰囲気を出していました。

 出発まで時間があったので1階に降りて改めて見ると、到着出口近くの壁にかかった「知床ノサップ観光マップ」も木製。2~3畳と大きなこの地図には北方領土も描かれていました。出発ロビーに並ぶベンチも木製。駐機場の向こうには、知床連山が爽快に広がっていました。

 地図には、択捉島にも空港のマークが書かれています(ヤースヌイ空港)。日本の東端に位置する空港は、本当は中標津の先にあるのだと、教えてくれてもいるようでした。

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中標津空港出発前のANA便(加賀幸雄撮影)。

 筆者が搭乗したANA378便は客席の3分の2が埋まっていましたが、家族連れや出張のビジネスマンといった人たちがほとんどでした。搭乗前に眺めていた新千歳行きのANA4884便も、乗客は仕事で札幌と行き来するような人が多く、生活路線といった感じが色濃く出ていました。

 木材は、北海道の木であるエゾマツと、トドマツを使っているということで、旅客も合わせて空港は地元密着感が濃く出ていました。思えば、JR標津線が廃止された1989年に中標津空港は丸ごと再建され、1990年に滑走路は全長1800m(当時)に伸びています。こうした木材が運ばれた鉄路から、モータリゼーションが進み、空路も“地元の足”となっているようです。

 大きな国際空港のような圧倒感はないものの、地元にとって欠かせない存在――そんな空気が中標津空港は流れていました。

【了】

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Writer: 加賀幸雄(旅行ライター)

日本各地の名産や景勝に興味があり、気ままに目的地を決めて2泊3日程度の 小旅行を楽しんでいる。

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