デカいスゴイ!のはずが…タイ初の空母にして最大の現役艦どう活用? 動かすと金かかる…

タイ海軍の最大艦にして、同軍最初の空母「チャクリ・ナルエベト」。就航当時は大いに注目されるも、今やほぼ洋上に出ず博物館船と化しています。なぜそうなったのでしょうか。その境遇を変えるかもしれない出来事が、無人機の登場です。

デカくて高コストだけじゃない“動かさない理由”

「チャクリ・ナルエベト」はタイ海軍初の空母であると同時に、アジアの海軍で初めてのジェット戦闘機を運用できる空母でもあったことから、1997年の就役当時は大いに注目されました。

 しかし、その直前に発生したアジア通貨危機でタイの経済が大きなダメージを受け、同国海軍の予算も大幅に削減されたことから、運用コストが高い「チャクリ・ナルエベト」はほとんど行動できなくなり、1か月のうち1日程度しか航海に出ていなかったと伝えられています。

 また、スペインから格安で譲渡されたAV-8Sは導入した時点で既に老朽化しており、タイ海軍にAV-8Sを活用する状況も存在しなかったことから、2000年代中期には運用を停止。「チャクリ・ナルエベト」はヘリコプターのみを搭載する艦となりました。

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艦載機だったAV-8S「マタドール」。タイ王国空軍博物館に展示(竹内 修撮影)。

 同艦は2004年に発生したスマトラ沖地震や、2010年と2011年にタイで発生した洪水などの大規模災害救助で大きな役割を果たしているものの、2021年3月31日付のフォーブスは、「1か月のうち数日しか航海に出ておらず、通常は母港で観光客の見学に供されていると報じています。

 見学できるものならばしてみたいと思って筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)が調べてみたところ、艦内見学ができるのはタイ国民だけのようですが、2022年9月現在、停泊時は母港のラヨーンで一般公開されていることが確認できました。

 グーグルマップで「チャクリ・ナルエベト」を検索すると「博物館/美術館」「営業開始:9:00」と表示されますが、これには筆者も苦笑いしてしまいました。

【やっぱデカい!】停泊中のチャクリ・ナルエベト/飛行試験した無人機 写真で見る

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