「車酔い」今後急増? 車の進化で生じる深刻な問題 「車酔いしにくいシート」開発
どう車酔いを低減させるの?
では、どのようにして車酔いを低減させるのか、今回開発された新型シートの機能についてニッパツに伺いました。
車酔いは、視覚と動きのセンサーである耳の奥の前庭器官(三半規管、耳石器)などからの情報に矛盾が生じることで発生すると考えられているそうです。
目から入ってくる情報と耳の奥にあるセンサーからの情報に整合性がとれていれば、脳の中でその情報が合成され自分がどういう動きをしているのか知覚、理解することができます。ところが、目からの情報と耳の奥のセンサーからの情報の非一致、ズレが生じると、自分の動きが理解できない、平衡感覚が保てなくなり、危険信号として酔いの症状が発生するのだとか。
そのふたつの情報のズレをなくそうというのが、今回開発されているシートの最大の特徴です。簡単に説明すると、運転中に頭が揺れることで、その信号が前庭器官から脳に入ってきますが、揺れを減らし、目から入ってくる情報とのズレをなくそうというもの。今回の新型シートでは、ヘッドレスト部分に後頭部を支えるパーツを設け、耳の後ろにある後頭骨を左右から支え揺れを抑えられるようになっています。ちなみに、この新型シートの検証では、車酔いに至るまでの時間が約3倍、長くなったそう。
検証はすでに終了していて、現在、実用化に向けて各国の法規対応の確認などを行っているといいます。あと数年もすると、この車酔い防止シートがデフォルトになっているかもしれませんね。
【了】
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