乗ったぜ「108歳の大型帆船」初来日した世界屈指のベテラン船 中身は全く前時代モノではなかった!
エンジン使わず風力だけで約20ノットを発揮
船上に掲げられた銘板は1998(平成10)年に改装工事を行った際に取り付けられたもので、船名は竣工時のものではありませんが、同船を作り上げた造船所の名前も刻まれています。生まれ故郷であるドイツのブレーマーハーフェンと、現在の船籍港であるノルウェーのベルゲンという2つの地名は、第1次世界大戦で戦争賠償としてイギリスを経てノルウェーに渡った同船の波乱万丈な半生を象徴しているように感じました。
綺麗にチーク材が敷き詰められた甲板からは、「スターツロード・レムクル」が大事に使われることが伺えます。風雨や塩水に晒される木の甲板は劣化のスピードも早く、特に客を乗せて安全に航行するためには、常にメンテナンスし続ける必要があります。船が美しい姿を保っているのは、船員が行う甲板清掃だけでなく、チーク材の張り替えやピッチの交換といった作業が定期的に行われている証といえるでしょう。
一時期は財政難に直面し、売却の危機に陥った「スターツロード・レムクル」ですが、現在は船員教育やセーリング体験ツアー、クルージング、さらにはノルウェー海軍やオランダ海軍の士官教育などに活用されており、ノルウェーを代表する大型帆船として多くの人に支えられている様子が見てとれます。
さて、「スターツロード・レムクル」はエンジンを使わず、帆走のみで最高19.5ノット(約36.1km/h)もの速力を出すことができます。パラオから横浜への航海では台風が接近する中、その風を利用して17ノット(約31.5km/h)のスピードで北上しました。
「Grossherzog Friedrich August(グローシェルツォーク・フリードリッヒ・アウグスト)」
⇒ドイツ語 Grossherzog (大公)は、Gross で区切って herzog です。グロース ヘルツォーク(発音 古!)
今ならヘアツォーク。。