相性抜群? アウトレットと高速バス 埼玉の首都圏10年ぶり新モールで地域に変革

埼玉県に「ふかや花園プレミアム・アウトレット」が開業し、東京都心などから直行の高速バスが多数設定されます。ここ数年、各地のアウトレットでは高速バスの誘致で交通手段の充実が図られ、その“次”を目指した動きも進んでいます。

アウトレットと相性抜群の高速バス

 そこで「遠いけど、便利」な場所選びがカギになります。米国生まれの業態ゆえ、高速道路のIC近くというのはその有力候補です。リゾートや旅の雰囲気の演出は、遠さを感じさせないためです。東名のIC至近で、かつ富士山を間近に見上げる丘陵地という御殿場POの立地は、これらの戦略の象徴といえます。

 そして、自家用車を持たない来店客には、直行高速バスが有効です。復路はショッピングバッグで両手がふさがることを考えると、乗り換えが少ないことが求められるのです。

 アウトレット直行高速バスは、小田急箱根高速バス(現・小田急ハイウェイバス)が、新宿~御殿場PO線をツアー形式で運行したのが最初です。御殿場はその後、東京駅、池袋、横浜など主要ターミナル駅からの路線とともに、日吉、たまプラーザ、立川、西船橋など郊外発の便を増やし、現在では東京都、神奈川県、千葉県の各地から、週末には合計で22往復も運行されています。

 他に、MOP木更津、神戸三田POなどの直行高速バスが特に充実しています。最近では、都心に比較的近く、鉄道でアクセスできるMOP横浜ベイサイドやジ・アウトレット北九州へさえ、直行バスが運行されています。

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御殿場プレミアム・アウトレットの直行高速バス車両待機スペース(成定竜一撮影)。

 プレミアム・アウトレットを展開する三菱地所・サイモンの柿崎一則マーケティング部長は「直行高速バスで来店するお客様は、ショッピングそのものを目的としているので買上げ率(来店客のうち、実際に購買する人の比率)が高く、運営会社として期待が大きい」と話します。

 同社の施設への直行高速バス車内では、多くのテナントで使用できる割引クーポンが配布されるので、往復のバス運賃程度は簡単に「元」が取れそうです。

【写真】北関東の「東京へ高速バス通勤」が定着した街 転機はアウトレット

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