そんな使われ方!? 元JAL機の“第2の人生”がユニークすぎる! JALらしさ残るその内部へ

JALで運用されていた旅客機のなかには、同社での役割を終えたのち、異例の“第2の人生”を送る機体もあります。どのような機体があり、その後の後半生はどのようなものなのでしょうか。

異例の転身を遂げた元JALのDC-10、機内はどんなもの?

 1979年から2005年までJALで使われたDC-10「JA8538」は、JALでの役割を終えたのち、民間機ながら、翼端に給油ポッドを付けて空中給油機KDC-10に生まれ変わりました。米空軍ではDC-10ベースの空中給油機は「KC-10」と名付けられますが、KDC-10とされたのは、もともと旅客機だったものを改造したことに由来するためでしょう。

「JA8538」は米国籍となり、新たにN974VVの機体番号を付与されました。飛ばしているのは1999年に最初の民間空中給油機を開発した、オメガ航空(Omega Aerial Refueling Services)です。2001年から米海軍を顧客にして空中給油を行うほか、英国空軍や豪州空軍にも支援業務を行っているということです。

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オメガ航空のDC-10-40(相良静造撮影)。

 筆者はとある中東の空港でKDC-10と空中給油機となった後の元JA8538に出会い、その機内に入る機会がありました。

 機内のギャレー(機内の簡易キッチン)はJALのロゴが残り、間仕切りに付けられた到着地の日時表示盤は日本語入り。搭載されたライフジャケットも「救命胴衣」と日本語でした。

 旅客機当時の客席も残っていましたが、背もたれは汚れが目立っていました。空中給油機に改造する手間と経費を節約したうえ、座席をすべて除くことによる重量配分の変化を避けようとしたのかもしれません。

 さまざまな国から空中給油を請け負うオメガ航空のことですし、もしかするとこの機も米国や英国、豪州以外でも契約を結んだ軍の支援業務に就いていた可能性もあります。そんな目で見ると、翼端の給油ポッドには旅客機にない物々しさを感じました。

 米国には、軍を退役した戦闘機を使い仮想敵機を飛ばす民間のアグレッサー会社がありますが、大型旅客機を使った空中給油機の運航会社もあるのには、航空のすそ野の広さを感じました。同時に思わぬところで、かつて日本を飛んでいた機体にお目にかかり、懐かしさを感じたのを覚えています。

【了】

【写真】元JAL機→異色の空中給油機となった機体…機内はまだJAL!

Writer:

さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。

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