空飛ぶのになぜ“錨”つき? 飛行艇「US-2」の船っぽい“神装備”とは
US-2の「錨」その使い方
こうした性能を持つUS-2が飛行艇であると改めて実感させられる装備があります。それが「錨」です。
錨とは、船舶に装備されているもので、船を一定の場所に留めておくため綱や鎖をつけて海底に沈める錘(おもり)のことを指します。では、なぜUS-2は錨を装備しているのでしょうか。それは海難現場に進出するUS-2ならではの理由からです。
US-2は洋上に着水したのち、側面の扉から救助用のゴムボートを発進させます。この時、US-2が潮に流されてしまうのを防ぐために、この錨が使われるのです。ただし、投錨は人力で行われるため、回収も手動になることから、引き上げる際には錨を機体に接触させないように気を付けなければなりません。なお、原型機であるPS-1対潜飛行艇から錨は装備されており、US-1、そしてUS-2と「船」としての機能は継承されているといいます。
ちなみに、今年(2022年)の11月6日には約7年振りとなる国際観艦式が行われます。もしかしたら、相模湾で行われる訓練展示の中で国産飛行艇US-2の離着水が披露されるかもしれません。
どういった形で公開されるのか、10月下旬時点での公式案内はまだありませんが、いずれにせよ国際観艦式を楽しむためのポイントとなりそうです。
【了】
Writer: 武若雅哉(軍事フォトライター)
2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。
まあ中国のAG 600飛行艇の方が性能うえだけどな