首都高だけの「黄バイ」 警察の白バイとどう違う? 民間唯一の緊急車両バイク
道路管理者としては、首都高だけに存在するバイク部隊の通称「黄バイ」。警察の白バイとはどう違うのでしょうか。道路の安全を守る車両ならではの特徴もあれば、“案外フツー”な点もありました。
首都高「バイク隊」参上!
首都高速道路が2022年10月28日、「首都高点検・補修デモ2022」を開催しました。大学生へ最新の点検・補修技術や道路の安全を守る取り組みを紹介するもので、コロナ禍を経て3年ぶりの実施に。様々な技術のデモだけでなく、業務用の特殊車両や、パトロールカーなども勢ぞろいしました。
そのなかで1台だけ、黄色いバイクが展示されていました。グループ会社の首都高パトロールのもの。道路管理者のパトロール部隊としては首都高にのみ存在するバイク隊の、通称「黄バイ」です。
バイク隊が結成されたのは2007(平成19)年のこと。C2中央環状線の山手トンネルが、5号池袋線から4号新宿線まで最初に開通したのを機に誕生しました。その後の延伸で山手トンネルは全長18.2kmと日本最長の道路トンネルになりましたが、バイク隊は、この山手トンネルを活動の場とする専門部隊です。
といっても、常にパトロールでトンネル内を走っているわけではありません。「何かあった際に、一番先に向かって入口の通行止めなどを行うのが任務です」と担当者が説明してくれました。
事故などでトンネル内の流れが止まると、パトロールカーでは到達まで時間がかかるため、機動性のあるバイクが出動するというわけです。「民間では唯一、サイレンを鳴らして緊急走行ができるバイク」なのだとか。
民間ではない緊急走行が可能なバイクといえば、警察の白バイですが、では、白バイと黄バイは、どのような違いがあるのでしょうか。
「(黄バイは)後続車を誘導するため、スピーカー(拡声器)が前向きだけでなく、後ろ向きにもついているのが特徴でしょう」と担当者は話します。
排気量の違いも大きいでしょう。白バイの多くはホンダCBシリーズの1300ccが使われますが、黄バイはCBの400cc。つまり、大型ではない普通二輪です。取締りを主とする白バイは、いざというときパワーが必要になるのに対し、黄バイはそれほどの走行性能を必要としないため、「足回りもノーマルですよ」とのことでした。
ちなみに、黄バイの車体のサイドボックスには、発炎筒など交通規制に必要な資機材が入っていました。
【了】
※誤字を修正しました(11月7日11時23分)。
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