議論呼ぶ日本の「敵基地攻撃能力」保有、空自「次期戦闘機」はどう関係? “空の防衛“の未来とは
政府の国家安全保障戦略の改定へ向け「敵基地攻撃能力」を巡る議論が大きくなっています。開発が始まった空自の「次期戦闘機」は、ここにどう関わってくるのでしょうか。
国際情勢の不安定化をうけて…?
2022年末に予定されている政府の国家安全保障戦略の改定へ向け、日本国内では、相手国の軍事拠点を直接攻撃する「敵基地攻撃能力(反撃能力)」を巡る議論が大きくなっています。関心を集めているのは巡航ミサイルの導入ですが、開発の始まった航空自衛隊の「次期戦闘機」とどう関わってくるかもポイントでしょう。次期戦闘機は、敵基地攻撃能力にどのように組み込まれるのでしょうか。
敵基地攻撃能力の保有を巡る議論は、1956年の国会答弁にまでさかのぼります。このころから、敵基地攻撃能力は「持つことはできる」とされていたものの、日本の領空領海に敵の爆撃機や艦船を入れさせず阻止することに重きを置いていたため、大きな議論に発展しませんでした。
そのうえ、太平洋戦争の記憶が鮮明だった1960~70年代は、航続距離が長く攻撃能力の高い戦闘機は支持を集めませんでした。結果、1968年に導入が決まったF-4EJは爆撃コンピューターを外し、その後に空中給油機能も除きました。国産初の戦闘機F-1も、航続距離は短く他国に脅威を与えないとされていました。
その後、敵基地攻撃能力の検討は2010年代も起きましたが、最終的に保有には至りませんでした。しかし、この時代は変わりつつあります。
2022年11月2日には、北朝鮮からのミサイルが、1日あたり最多となる20発以上も発射されるなど、軍事的な挑発はやみません。また、ロシアによるウクライナ侵攻も発生しており、世界情勢は不安定さを増していると言わざるをえない状況です。
こうした情勢下、巡航ミサイル「トマホーク」の導入が検討され、国産ミサイルの長射程化や航空自衛隊のF-2戦闘機への搭載へ向けた改修も予定されています。敵基地攻撃能力を保有するとなれば、次期戦闘機はおろか、F-2も含めた航空機も一翼を担うのでしょうか。
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