議論呼ぶ日本の「敵基地攻撃能力」保有、空自「次期戦闘機」はどう関係? “空の防衛“の未来とは

政府の国家安全保障戦略の改定へ向け「敵基地攻撃能力」を巡る議論が大きくなっています。開発が始まった空自の「次期戦闘機」は、ここにどう関わってくるのでしょうか。

次期戦闘機と敵基地攻撃能力の関係は「限定的」かもしれない

 筆者(清水次郎、航空ライター)はこれについて、あるとすれば、「限定的」そして「将来的に」ではないかと考えます。

 次期戦闘機を共同開発するイギリスでは、この機は、攻撃能力を持つ多用途戦闘機「タイフーン」の後継機になるため、空自にとっても大きな攻撃力を持つものになるでしょう。ただし、相手国のミサイル基地を叩くのは1機種では足りません。

 攻撃には援護の戦闘機や、対空レーダーや対空ミサイルを妨害する電子攻撃機も必要です。撃墜されたパイロット救出のために、捜索救難機は「戦闘捜索救難(CSAR)」と呼ばれるまでに力を強めなければなりません。――つまり、複数の航空機を1つのパッケージとすることが求められるのです。

Large 20221115 01
航空自衛隊のF-2戦闘機。アメリカと共同開発(画像:航空自衛隊)。

 もし使う空対地ミサイルの射程が長ければ、相手国の領空に入らず攻撃もできますが、領空へ入って行動を取るとなると、戦闘攻撃機だけでは「とても足りない」という現状があります。

 有人の戦闘機なら、離陸後に攻撃中止の命令があれば引き返すことが出来るうえ、日本の領空内で哨戒しつつ移動式のミサイル発射施設を警戒するのにも有効と考えられます。もし、先述の「パッケージ」が整えば、次期戦闘機が一翼を担うのは間違いありませんが、整うまでは同機も含めた有人の航空機の使用は控えられると見られます。

 また、次期戦闘機自体も、F-2並みの対艦攻撃力に加えて対地攻撃力も強めるなら、日本の設計陣にとっては挑戦になり、開発は時間がかかるかもしれません。

 戦闘機は、島しょ防衛や日本の防空といったほかに重要な任務もあります。それゆえに、敵基地攻撃能力は多くの報道にある通り、まず巡航ミサイルが役割を担うと考えるのが、いまのところ有力でしょう。

【了】

【双子?】次期戦闘機とそっくり? 英の次世代戦闘機「テンペスト」のルックス

Writer:

飛行機好きが高じて、旅客機・自衛隊機の別を問わず寄稿を続ける。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス