デコトラにあらず! 新たなドレスアップ「ユーロ・スタイル」とは? 運送会社「イメージ変えたい」

なかにはキャブ全塗装トラックも!

 トラックが100台以上並んでいるだけでも圧倒されますが、各トラックにはそれぞれ個性的なデコレーションが施されており、その見た目の美しさはトラック好きでなくても楽しめるほど。ここに集まった多くのトラックは、単なる仕事のための道具ではなく、オーナーやドライバーが愛情と手間を注いで作り上げた自慢の「作品」だといえるでしょう。

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ボルボのトレーラー。建築用重機を運ぶ車両で通称「重トレ」と呼ばれている。側面には社名とグリフィンをあしらった十字の図形がキャブ一杯に描かれている(布留川 司撮影)。

 話によると、ユーロ・スタイルの特徴は一言で表すなら、今風のスタイリッシュなビジュアルだそう。一般に広く知られた和流の「デコトラ」は、巨大なバンパーやバイザーなどのパーツ類を装着し、原型のトラックが持つフォルムを覆い隠すような派手なドレスアップを施しているのが多く、キャブの塗装や荷台などに描かれたイラストも、浮世絵を始めとした日本画などの和流デザインが多用される傾向にあります。

 一方ユーロ・スタイルは、ベースとなるヨーロッパ製トラックが元から持つデザインを生かししつつ、エアロやバー・パーツ、作業灯などを装着して部分的にドレスアップするのが特徴で、塗装も車体全体を基準にしてトータルコーディネートしている印象を受けました。

 会場に展示されていたトラックも、仕事用の車両では中々見られない色をまとったトラックが多く、光輝材(いわゆるメタリック系塗装)を含んだ明るいカラーリングが目立ちます。なかにはスポーツカーで使われている塗料を用いたものや、重ね塗りを行うキャンディ塗装(複数回の塗装が必要なので手間と費用が掛かる)まで施した、「こだわりのクルマ」までありました。

 また、運転席部分のキャブ側面などにはロゴや図柄を入れたトラックも多く見受けられました。ヨーロッパ製トラックはもともと運転席周りの空間が広いためキャブ部分が大きく、それに加えて空気抵抗を低減させる目的のエアロパーツも最初から装着されていることが多いため、国産トラックよりも車体表面の面積が広くなっています。ここを大きなキャンパスのようにして塗装と模様でデコレーションするのです。

【写真】キャブ裏側にも注目! いろんな「ユーロ・スタイル」トラックをイッキ見

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