この戦闘機なに!? ジャカルタに現れた謎の機体i-22 国の威信かけた“ハッタリ”か

中小国にいいんじゃない? って質問したら驚愕の回答が…

 T-50をベースに開発されたFA-50や、イタリア空軍などが運用しているM-346練習機ベースのM-346FAといった軽戦闘/攻撃機は、電子機器の小型化と高性能化によりレーダー誘導空対空ミサイルや精密誘導兵器などの運用能力も備えており、資金に余裕の無い中小国を中心にシェアを拡大しています。これらが対レーダーステルス性能をそれほど考慮していないことを考えると、i-22は資金に余裕がなく、その一方で一定の対レーダーステルス性能を備えた戦闘機が欲しい国々には、魅力的に映るのではないかと感じました。

 こうした理由から筆者(竹内 修:軍事ジャーリスト)は、i-22を世界の軽戦闘/攻撃機市場への参入を狙った計画と見て、実大モックアップを製造したインフォグローバルのブースでその旨の質問をしてみました。すると同社の担当者は驚くべき回答を口にしたのです。

「i-22は軽戦闘/攻撃機市場への参入を狙ったものでも、インドネシア空軍への提案を狙ったものでもなく、さらに言えば具体的な開発計画もない」

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インドネシアの「インドゥ・ディフェンス2022」会場で展示されたi-22「シカタン」のモックアップ(竹内 修撮影)。

 では、インフォグローバルは何のために少なからぬ費用を投じて実大モックアップを制作し、それをインドゥ・ディフェンス2022に出展したのでしょうか。同社の担当者は筆者の投げかけた疑問に対して次のように答えました。

「このレベルの戦闘機であれば、インドネシアの国内産業の技術で十分開発できることを国民にアピールして、防衛装備品のさらなる国産化を進めるためにi-22のコンセプトを発表し、実大モックアップを作った」

【アジア版「タイフーン」?】後ろから見たi-22「シカタン」(写真)

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