一気に進むかタクシーEV化 8年で「5台に1台EV」へ “アリア”タクシーまもなく登場

タクシーが「走る蓄電池」に?

 今回のプロジェクトには、東京や名古屋、福岡といった大都市圏だけでなく、地方の会社も参画しています。MoTの中島社長によると、タクシーの燃料として主に使われているLPG(液化石油ガス)の価格が高騰しているほか、LPGスタンドの数も減少。地方では、自社エリアから片道30分かけてLPGを補給しにいくタクシーもあるといいます。

 こうした状況からEVを導入しているタクシー事業者もあるものの、日本においてはEV普及率が低く、インフラもなかなか整いません。世界では全車両に占めるEVの割合が10%に達しているのに対し、日本ではわずか2%。タクシーに至っては0.1%という状況だそうです。MoTが旗振り役となって国の制度を活用しながら事業者を支援することで、この状況を打破していく狙いがあります。

 EVタクシーの運用コストとしてはLPGのタクシーと同等になるとのことですが、そこでキモになるのが、電力がひっ迫する時間帯を避け、いかに安価な電力を供給するかという「エネルギーマネジメント」だといいます。MoTはこれを構築するとともに、東京電力ホールディングスがEVタクシーを導入する営業所の脱炭素化を進め、あいおいニッセイ同和損保が設備不具合などによる経済損害などを補償するEVタクシー向けの保険メニューを用意するそうです。

「街なかにEVタクシーが普及すればするほど、EVタクシーが電力の調整役をも担うようになります。かんたんにいえば統制がとれた「蓄電池が走っている」ということで、万が一、電力がひっ迫すれば、それを吐き出す(一般の電気に活用する)こともできます」(MoT GX部部長 佐々木将洋さん)

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フォトセッションにて(乗りものニュース編集部撮影)。

 なお、東京ではまず2023年1月より、「アリア」のタクシー3両が走り出すそうです。「bZ4X」については4月に兵庫から運行を開始、東京には2023年度中の導入予定だそうです。

【了】

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