秘密は“プリンみたいな形”の車輪? カーブでくねる列車 ハンドルなくても曲がれる理由

鉄道のカーブは単に線路を曲げるだけでは脱線してしまいます。操舵装置もない列車が、そうならない理由の一つが、車輪の形。実は、プリンのような形をしているのです。

「京阪カーブ式会社」とも

 路面電車から発展した京阪電車は、カーブが多く、かつては「京阪カーブ式会社」などという呼び名もありました。いまでも、特に路面電車は全国的に、列車がくの字を描くような急なカーブが随所に見られます。

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石清水八幡宮~淀間のカーブをいく京阪特急。京阪線はカーブが多い(画像:写真AC)。

 しかし、クルマでいう「曲がる」ためのハンドル(操舵装置)は列車にはありません。線路をただ曲げるだけでは脱線してしまうでしょう。ではなぜ曲がれるのかというと、車輪に秘密があるのです。

 列車を真正面から見ると、車輪の半径は線路の内側から外側に向かって短くなっており、台形に見えます。たとえれば、プリンの容器で底の方が外側に向いているような形。左右の車輪は一本の車軸でつながっており、同時に回転します。

 この車輪の形こそが、カーブを曲がれる理由です。カーブを走行する際は、内側のレールと外側のレールで走る距離が違うため、左右の車輪が同じ回転数だと曲がれません。しかし車輪の形が台形ならば、カーブ通過の際に車体がカーブの外側に移動します。

 そのときカーブの外側の車輪は、内側の車輪より半径が大きくなるところでレールと接触するので、同じ回転数でも外側の車輪の方が速く進み、スムーズに曲がれるという訳です。また、車輪の内側には「フランジ」と呼ばれる出っ張りがあり、脱線を防止しています。

 そんな鉄道の車輪は、レールと同じく鉄製です。ただ、基本的には車輪の方がレールよりも柔らかくなるように作られています。というのも、車両基地に戻ってくる車両の方が、メンテナンスを行いやすいからです。車輪がレールに接する部分を踏面といいますが、だんだん削れて傷が発生することがあります。そこで車両メンテナンスでは、車輪を適正な形に戻すために踏面を削る「削正」という作業が定期的に行われます。

 ちなみに、車両メーカーは複数あれど、車輪は全て同じ会社が作っているのをご存知でしょうか。その会社は日本製鉄です。同社の車輪は材料に不純物や空泡がないことを示す「清浄度」が世界でもトップレベルに高いのだそうです。

【了】

【画像】日本の鉄道の最急カーブとは

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