もう “世界最強の戦闘機” F-22が退役!? 背景には意外に厳しい米空軍の台所事情

F-22初期モデルを退役させたい米空軍の思惑

 F-22の初飛行は1997年で、最初の機体が配備されたのは2005年です。すでに運用開始から20年近くも経っており、F-22は決して最新戦闘機とは呼べる存在ではありません。

 ただ、高度なステルス性に、双発大出力エンジンと推力偏向ノズルによる高い機動性を兼ね備えていることから、F-22「ラプター」は戦闘機単体として捉えた場合、性能的にはいまだ世界トップレベルにあるといえるでしょう。

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推力偏向ノズルを備えたF-22は高い機動性を有している(画像:アメリカ空軍)。

 しかし、現代の航空戦は、人工衛星や早期警戒管制機(AWACS)、空母、イージス艦、さらにはサイバー部隊など、ほかのプラットフォームと連携することを前提とした、いわゆるネットワークが主体の戦いになっています。

 F-22自身もネットワークとデータリンクの能力こそ持っているものの、その部分では後から開発されたF-35「ライトニングII」の方が優秀な部分が多く、また運用面でも生産機数の多いF-35の方が有利といえます。

 今月(12月)15日、アメリカ上院は2023年度の国防予算の大枠を決める国防権限法(NDAA)案を可決。この中でF-22の初期型であるブロック20の退役は認められず、アメリカ空軍は来年度もF-22を全数運用することになりました。今回のティンダル空軍基地から送り出されたF-22も、通常の運用スケジュールとは直接関係ない特別なものでした。

 しかし、後継機の開発や装備の更新を進めるアメリカ空軍は、予算削減のために現役機や装備の見直しを常に行っており、再びブロック20が早期退役の対象になる可能性もあります。今回の91-4002号機のような姿は、近い将来に繰り返される可能性もあります。

【了】

【お役御免!?】黒いビニールでグルグル巻きになったF-22「ラプター」

Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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