「トナカイ」の名を持つ輸送機DHC-4 どこでも発着・悪路もOK…サンタ向きの機体?

カナダの隣国アメリカが大量採用

 DHC-4は、主として軍用輸送機を目指して開発された機体でしたが、民間の型式証明も取得して民間機としても採用されました。生産数は1958(昭和33)年から1968(昭和43)年までの10年間で計307機。このクラスの飛行機としては比較的少数の生産に終わったものの、世界22か国で軍用輸送機として採用され、民間機としても10か国の航空会社で使用されています。

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1982年、カリフォルニア州ビール空軍基地で開催されたエアショーで展示された州兵空軍のC-7輸送機。同機はDHC-4「カリブー」のアメリカ空軍仕様である(細谷泰正撮影)。

 特にアメリカ陸軍ではCV-2「カリブー」として最多の159機が採用され、1960年代に激しさを増したベトナム戦争において多用されました。アメリカ陸軍が導入した機体は、後に同空軍へ移管されC-7と改称、1980年代前半まで運用が続けられます。なお、民間型は丸い機首であるのに対し、C-7は気象レーダーが取り付けられ、その部分が鼻のように突き出ていることから、機首の形状が異なります。

 軍用機や民間機として使用されていたDHC-4「カリブー」の多くは1980年代に引退しましたが、引退後も多くの機体が博物館などで保存されているので往時の姿を見ることができます。

 また、オーストラリアでは2009(平成21)年まで運用されていたことから、同国では歴史的航空機を保存する民間の非営利団体が、2機を飛行可能な状態で維持しているので、航空ショーなどでレシプロエンジン特有の懐かしいエンジンを響かせて飛ぶ姿を見ることができるでしょう。

 もしかしたら、オーストラリアではDHC-4「カリブー」に乗ってやって来るサンタクロースがいるかもしれません。

【了】

【民間型「カリブー」も】昭和レトロなDHC-4のコックピットほか

Writer: 細谷泰正(航空評論家/元AOPA JAPAN理事)

航空評論家、各国の航空行政、航空機研究が専門。日本オーナーパイロット協会(AOPA-JAPAN)元理事

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