「装填早くて羨ましい」「アナログ機にもう少し乗らせて」進化に悲喜こもごも 22年話題の自衛隊装備5選
ステルス性満載な戦闘機&水上艦
既存のF-15J戦闘機による機動展示と比較しても、そのコンパクトさは顕著で、パワーがありすぎるがゆえに機体の重さを感じさせるF-15Jに対し、F-35Aはまるで紙飛行機のようにクルクルと旋回していたのが印象に残っています。その一方で、パイロットに掛かるGは相当な数字になるはずですが、新たな耐Gスーツのお陰でパイロットに掛かる負担も幾分か緩和されているのでしょう。
また、F-35Aのエンジンスタートからタキシング、離陸までの一連の流れを公開したのもこの日が初めてでした。これまではプロのカメラマンでさえも許可されなかったのに、一般公開されたのは大変な驚きです。
もがみ型護衛艦
最後は海上自衛隊から、もがみ型護衛艦です。
従来までの護衛艦とは一線を画す艦容で、凹凸の少ない外観は高いステルス性を感じさせます。また、ユニコーンアンテナとも呼ばれている統合マストは、すべてのレーダーやセンサーを外壁で覆うことで、こちらも高いステルス性を持たせることに成功しています。煙突の排気口も外壁に覆われているため、最も高い温度を放出する場所は熱探知されにくくするなど、まさに隙なしといったデザインです。
この「もがみ」型ですが、1番艦の「もがみ」と2番艦の「くまの」が今年開催された国際観艦式に参加。フリートウィークでは多くの見学者を集めるなど大きな反響を生んでいました。計画では22隻まで建造されるということで、海上自衛隊の新しい戦力としてアチコチで見られるようになるでしょう。
このように、筆者の独断と偏見で2022年に話題となった装備品を5つ紹介しましたが、2023年にはどんな装備品が登場するでしょうか。奇しくも12月16日には日本政府・防衛省から「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」のいわゆる安保3文書が発表されています。来年も注目を集める新装備が出るのでしょう。引き続き注視していこうと思います。
【了】
Writer: 武若雅哉(軍事フォトライター)
2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。
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