シンガポールの空港、羽田とどう違う? 現地でJAL機を影で支える“安全の番人”「航務」に聞く

旅客機の安全運航を、地上からのさまざまなサポートをすることで支える「航務」、実は海外空港で、その任にあたるプロフェッショナルがいます。日本とはどのような違いがあるのでしょうか。

まだまだ続く「シンガポールでの航務」裏事情

「シンガポールでは、雷雨への対処がとくに必要になります。日本ではさまざまな天候の対処が求められる一方で、シンガポールは主に雷雨だけ…ではあるのですが、それを正確に予測してコクピットに伝えるのが結構難しいなと感じています。実は(取材日)数日前も強い雷雨が着陸寸前に起き、ほかの部署とパイロットと連携し、航空機を40分ほど上空で待機させて安全に着陸させることできました。シンガポールにおける天候への対処は一般の方が見られるものも含め、いろいろな情報を入手して対応します。また雷雨が過ぎたあとは風向きの変化に伴い、使用滑走路の方向が変わるなんてこともありますね」

Large 20230108 01
シンガポール空港所で航務を担当する安藤望さん(乗りものニュース編集部撮影)。

 そしてシンガポールで航務の業務にあたるポイントを、安藤望さんは次のように説明します。

「情報や規制を確認するとき、(国土が小さく)空域が限られているシンガポールは『少し行けばマレーシア』といった状況が往々にあって、これも羽田空港で業務をしていたときの感覚とは違うなと思います。また、シンガポールでは毎年、航空ショーがありますが、これも数か月前からリハーサルが実施されるため各種規制が生じ、そこも羽田空港とは違うと思いました」

 そしてチャンギ空港といえば、乗り継ぎ旅客の需要を見込み、日本の空港では見られないようなエンターテイメント性の高い設備を特長としています。

「この空港で働き始めたとき、お客さまから道を聞かれたときに『滑り台ありますか?』といった質問をいただくことが何度かあり、『どういうことなんだろう』と思いましたが、チャンギ空港には本当に滑り台があります。この空港にはプールや映画館もありますので、スケールの大きさにはビックリしました」

※ ※ ※

 同氏は、航務担当者から見た、シンガポール、ならびにチャンギ空港の強みを次のように話してくれました。

「チャンギ国際空港は情報を提供するシステムが充実していて航務担当者をすごく助けてくれます。先述した雷雨の着陸のときにも、着陸予想時刻とほぼ同時刻に着陸することができました。また、この国は多民族を特徴としているので、それほど自分が外国人という感覚がありません。ダイバーシティ(多様性)の面でも学ぶところが多い国だと思います」。

【了】

【写真】マジで滑り台もプールもある! 凄すぎるチャンギ空港の内部とは

Writer:

国内航空会社を中心に取材を続け、国内・海外を奔走する日々を送る。ゆとり世代。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス