陸自の多連装ロケット砲「陳腐化」とは? ウクライナの戦線支える「現役」が廃止へ

ロシアによる侵攻に抵抗するウクライナで大いに活用されている兵器のひとつが、陸上自衛隊にも配備されているのですが、これがすでに退役の予定にあるといいます。なぜ不要と判断されたのか、その背景などを解説します。

ウクライナで戦果を挙げる多連装ロケット砲

 ロシアによるウクライナ侵攻が開始されてから、間もなく1年が経過しようとしています。ウクライナ軍の懸命な抵抗により、ロシア軍の進撃は停滞を余儀なくされていますが、そのウクライナ軍にとって今や欠かすことのできない兵器となっているのが、アメリカやイギリスが供与している多連装ロケット砲です。

Large 230108 mlrs 01

拡大画像

2019年11月、ドイツにて撮影されたアメリカ陸軍のM270 多連装ロケット砲システム(画像:アメリカ陸軍)。

 アメリカからはM142「高機動ロケット砲システム(HIMARS)」、そしてイギリスからはM270「多連装ロケットシステム(MLRS)」がそれぞれ供与されています。このふたつの兵器には、M142が装輪式(タイヤ)、M270が装軌式(履帯、いわゆるキャタピラ)という違いがありますが、基本的に発射する弾は共通のGPS誘導ロケット弾(M30/31)です。ただし、M142ではこれを6発しか装填できないのに対して、M270では12発を装填可能です。

 射程70km以上を誇るこのロケット弾は、ピンポイントで敵の司令部や弾薬庫などを攻撃することが可能で、ウクライナ軍の反撃を支える重要な存在となっています。

 実は、このうちのM270に関しては、日本の陸上自衛隊でも運用されています。ウクライナでの戦果などを踏まえると、これからも長らく運用されることになるのかと思いきや、実際にはすでに退役が決定されています。

【画像】退役が予定される陸上自衛隊の多連装ロケットシステム 自走発射機M270

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

1件のコメント

  1. 退役させるなら、逆に尖閣にすべて配備し針の山にしてはどうか?運用する部隊の問題もあり、絵空事ではあるが、検討するだけでも抑止とならんだろうか?