6年過ぎてなぜ?「フリード」がミニバン1位になったワケ そもそも競合がシエンタだけなのは

ホンダ「フリード」が2022年ミニバン年間販売台数1位になりました。ライバル「シエンタ」を差し置いて現行モデル6年目にして初めて掴んだ栄冠ですが、なぜいま、1位になったのでしょうか。

フリード「逃げ切り」か

 マツダは、3列シートのSUVである「CX-8」を投入する代わりに3列シートのミニバンをやめています。スバルは、「エクシーガ」やその改良モデルの「クロスオーバー7」といった3列シート車はあったものの、いわゆる“ミニバン”には消極的で、3列シート車は全廃。そして、ダイハツとスズキは、フリードよりも下のクラスとなる、2列シートの「トール」と「ソリオ」で戦っており、3列シートミニバンには進出していません(OEM除く)。

 現状ではフリードのライバルは不在なのです。それだけナンバー1になりやすいというわけです。

 次にフリードが良かったのは時流です。端的に言えば、ライバルとなるシエンタのフルモデルチェンジ(FMC)の時期に恵まれました。シエンタは2022年8月23日の新型(3代目)登場に向かって、2022年前半は販売台数を落としていたのです。

 また、シエンタは生産の混乱や半導体不足などの打撃で、12月20日時点の納期は「詳しくは販売店にお問い合わせください」(トヨタHPの「生産遅延に基づく工場出荷時期目処の一覧」より)とあります。つまり、納期に半年以上かかりそうなのです。

 一方、フリードは2022年6月にマイナーチェンジして商品力を維持しつつ、納期も「半年程度」を堅持しました。その結果、1~8月の販売台数は、フリードが上回っており、その差を活かして、9月以降のシエンタの追撃から逃げ切り、ナンバー1の地位を獲得したというわけです。

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新型シエンタ(画像:トヨタ)。

 つまり、今年のフリードが販売台数ナンバー1になれたのは、「ライバルがシエンタのみという状況」「シエンタのFMCの落ち込みをうまく使った」という2つが理由と言えるでしょう。もちろん、デビュー6年目でも色褪せないフリードの高い商品力があったことも忘れてはいけません。

 ただし、シエンタの新型モデルが登場した2022年9月以降は、シエンタの販売が勝っています。2023年の販売はシエンタが有利なのは間違いありません。2023年こそが、フリードの真価が問われる年になるでしょう。

【了】

【内外装どうよ?】6年目のフリードと1年目のシエンタ(写真で比較)

Writer:

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブ媒体にて新車レポートやエンジニア・インタビューなどを広く執筆。中国をはじめ、アジア各地のモーターショー取材を数多くこなしている。1966年生まれ。著書「自動車ビジネス」(クロスメディア・パブリッシング)

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