珍しい「捕鯨船」“決意の新造” 電気推進でエコ 100頭さばける船内工場 会社も船も世界唯一

見た目RORO船? 船内の加工工場まで一気に近代化

 今回、旭洋造船で鋼材の切り出し(スチール・カッティング)が行われ、建造が始まった新捕鯨母船は、将来的なナガスクジラの捕獲も視野に入れた70トンの揚鯨能力を備えています。船体の大きさは全長112.6m、幅21mで、太平洋のニタリクジラであれば、100頭分の製品が積載できるといいます。

 その完成イメージを見ると、従来の捕鯨母船とは一線を画した船型で、自動車を運ぶRORO船のような見た目となっており、甲板上にはドローンデッキも置かれます。

 さらに、解剖甲板を屋外から屋内に変更し、衛生環境の改善を図っているほか、製品の保冷設備は冷倉からリーファーコンテナへ変更。これにより効率的な製品ロット管理と製品の荷揚げを可能にします。船室は全て個室化し、居住性を向上させるそうです。

「今の母船は1500トンぐらいまでを一気に積載することができる。ただ、冷倉が大きく1トン積もうと1000トン積もうと冷凍庫を稼働させる必要があり、エネルギーコストがかかってしまう。作った分だけ冷凍設備を動かすという発想から、新母船ではリーファーコンテナを採用することを考えた。輸送面もコンテナを運ぶだけで済むため、非常に機能的だろうと思っている」(所社長)

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会見の様子(深水千翔撮影)。

 推進システムは発電機とモーターを組み合わせた電気推進方式を導入。従来のディーゼル船に比べてクジラを引き揚げるスリップウエーの傾斜を緩やかにでき、船体のコンパクト化を実現しました。商業捕鯨では日本近海での操業がメインとなることから航走が少なくなるため、推進器のエネルギー効率のデメリットも緩和されるとしています。

 また、世界的に船舶の脱炭素化の取り組みが進む中、LNG(液化天然ガス)や水素、アンモニア、合成燃料といった次世代燃料の採用も見越した設計を取り入れています。

【貫禄?老朽化?】36年選手の捕鯨母船「日新丸」(写真で見る)

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コメント

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4件のコメント

  1. 日本の捕鯨伝統を守る為、新捕鯨母船に期待します。
    アメリカや諸外国が日本人にクジラを食べるなと言うならお前達は牛を食うなと言いたい。お前達は牛よりクジラが可哀想と思うかも知れないけど日本人はクジラより牛の方が可哀想と思っている。文化の違いを押しつけるな。アラスカ州ではクジラ文化があるでは無いか。インドは牛を食べない文化が残っています。

  2. 牛や豚はよくて鯨はダメという欧米人の自己中心的意見は理解に苦しむが、実際大して美味しいものではないし放っておけば市場原理に従って消えていくレベルの物だと思う。美味しいわけでも食料に困ってるわけでもない無駄な殺生であることは事実だし「捕鯨文化を次の世代に伝えていく」必要はないのでは?

  3. 伝統や文化を守るのかどうかは合理性で考えてはいけない。基本的に時代遅れなものなのだから。スペインのある地方では独特の言語がスペイン語と共に用いられている。文法も大きく異なり一部の人達しか話さないにも関わらず、自治体はとても重きを置いていて、話せないと大学や就職への道が大きく狭められるようにしてあるため、若い世代にも途切れることなく引き継がれている。エコノミック・アニマルの日本でこういう非合理的なことができるだろうか。要は当事者にその気があるかどうかだけ。

  4. これが終わりの始まりになるんじゃないですかね。
    資金繰りつかなくなる予感。
    これから海洋環境は悪化していく一方だし、いつまでも捕りつづけることなんてできませんよ。