珍しい「捕鯨船」“決意の新造” 電気推進でエコ 100頭さばける船内工場 会社も船も世界唯一

「30年間は絶対に鯨肉を供給する」

 旭洋造船の越智勝彦社長は次のように述べました。

「捕鯨母船は特殊で非常に複雑な構造で、中にさまざまな設備が設けられているため、普通の船より長い艤装時間をかけることになる。当社の長年の悲願であった捕鯨母船の建造を無事スタートできたのは胸躍る思い。日本捕鯨の象徴として活躍し、近代捕鯨発祥の地である下関の活性化に寄与する姿を想像しながら建造を進めていきたい」

 また、同社は極低温の冷凍運搬船で豊富な実績を持っていることから、「本船を建造しながら学んださまざまな知識、知見を生かして、より新しい目線で見た冷凍船の建造に活用していこうと考えている」と話しています。

 共同船舶の所社長は新造の意義をこう強調します。

「加工屋さんや仲卸など捕鯨を支えてきた方々は、鯨肉の供給がなければ暮らしていくことができない。これから30年間は絶対に鯨肉の供給をするという宣言のために、新しい母船を建造することにした」

 順調に進めば、2024年5月の大型連休明けから新母船で鯨を取りに行くことになる、とのこと。それまで「なんとか稼いで会社が回っていくようにしなければならない」と意気込みを述べました。

【了】

【貫禄?老朽化?】36年選手の捕鯨母船「日新丸」(写真で見る)

Writer: 深水千翔(海事ライター)

1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

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コメント

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4件のコメント

  1. 日本の捕鯨伝統を守る為、新捕鯨母船に期待します。
    アメリカや諸外国が日本人にクジラを食べるなと言うならお前達は牛を食うなと言いたい。お前達は牛よりクジラが可哀想と思うかも知れないけど日本人はクジラより牛の方が可哀想と思っている。文化の違いを押しつけるな。アラスカ州ではクジラ文化があるでは無いか。インドは牛を食べない文化が残っています。

  2. 牛や豚はよくて鯨はダメという欧米人の自己中心的意見は理解に苦しむが、実際大して美味しいものではないし放っておけば市場原理に従って消えていくレベルの物だと思う。美味しいわけでも食料に困ってるわけでもない無駄な殺生であることは事実だし「捕鯨文化を次の世代に伝えていく」必要はないのでは?

  3. 伝統や文化を守るのかどうかは合理性で考えてはいけない。基本的に時代遅れなものなのだから。スペインのある地方では独特の言語がスペイン語と共に用いられている。文法も大きく異なり一部の人達しか話さないにも関わらず、自治体はとても重きを置いていて、話せないと大学や就職への道が大きく狭められるようにしてあるため、若い世代にも途切れることなく引き継がれている。エコノミック・アニマルの日本でこういう非合理的なことができるだろうか。要は当事者にその気があるかどうかだけ。

  4. これが終わりの始まりになるんじゃないですかね。
    資金繰りつかなくなる予感。
    これから海洋環境は悪化していく一方だし、いつまでも捕りつづけることなんてできませんよ。