魚河岸の顔「ターレットトラック」のナゾ 実は名前すら曖昧? 何度もプラモ化されてきた“魅力”
魚市場や動物園などで使われる「ターレットトラック」と呼ばれる小型車両は、これまで何度もプラモデル化されています。その魅力はどこにあるのか紐解いてくと、実は名前すら曖昧な、不思議な存在であることが分かってきました。
名前が違うだけ? 「エレトラック」「マイテーカー」との呼び名も
微妙に形が違うだけでなく、アオシマ製品の商品名を見ると「ターレー」と「エレトラック」の2種類があります。海洋堂の「ARTPLA 飼育員とシロサイセット」ではターレットトラックとされていたこの車両を、アオシマは「ターレー」と「エレトラック」に呼び分けて、なおかつ細部も作り変えています。プラモデルを見る限り、ターレットトラックには素人にはわからない種別やディテールの違いがあるようです。
ここで格好の資料本があります。東京キララ社から刊行されている『築地魚河岸ブルース』という写真集です。この本に載っているターレットトラックの写真には、メーカー名や商品名がバッチリ写っているのですが、アオシマがプラモデル化した「エレトラック」のほか、「MIGHTY CAR」という商標が見られます。1台だけ「ターレット」というネームが貼ってある車種も確認できました。ターレットトラックの世界は思ったよりも深いようです。

まずは、気になった「MIGHTY CAR」という名前を検索してみると、関東機械センターという会社のサイトに行き当たりました。商品名は「マイテーカー」が正しいようです。電動車およびエンジン車、天然ガス車など、「マイテーカー」は現在6種類も販売されていることがわかりました。しかも、「仕様:青果」というもののほかに、車体を強化した水産仕様もあるそうです。魚河岸で使われているのは、水産仕様ということになります。
続いて、アオシマがプラモデル化した「エレトラック」を検索すると、三菱ロジスネクストという会社が見つかりました。この会社の旧名は日本輸送機株式会社、つまり「ニチユ」です。「エレトラック」のカタログを見ると、アオシマの「1/32 特殊荷役」シリーズでプラモデル化された「ニチユ エレトラック」は、まさに実物そっくりに再現されていることがわかりました。
2023.02.23の「ターレットトラック」の古い記事をたまたま目にしました。記事では魚市場や動物園で働く荷物運搬車として記述されています。この車?は、昭和30年代から40年代初めまで、国鉄の大きな駅のホームで小荷物や郵便物を乗せた台車を何台もつないで走っていた記憶があります。当時の列車は編成が長く、リヤカーや荷車では非効率だったんでしょう。ターレットと呼ばれ、バタバタと大きな音を立て、狭いホームを器用に走り回っていました。どの駅でもあったものではなく、荷物量の多い駅にしかなかったようです。
興味深く眺めていましたが、写真は取らずじまいです。できれば情報を集めて記事にしていただけませんか?記憶に残っている鉄道ファンも少なくないと思います。