魚河岸の顔「ターレットトラック」のナゾ 実は名前すら曖昧? 何度もプラモ化されてきた“魅力”

名前が違うだけ? 「エレトラック」「マイテーカー」との呼び名も

 微妙に形が違うだけでなく、アオシマ製品の商品名を見ると「ターレー」と「エレトラック」の2種類があります。海洋堂の「ARTPLA 飼育員とシロサイセット」ではターレットトラックとされていたこの車両を、アオシマは「ターレー」と「エレトラック」に呼び分けて、なおかつ細部も作り変えています。プラモデルを見る限り、ターレットトラックには素人にはわからない種別やディテールの違いがあるようです。

 ここで格好の資料本があります。東京キララ社から刊行されている『築地魚河岸ブルース』という写真集です。この本に載っているターレットトラックの写真には、メーカー名や商品名がバッチリ写っているのですが、アオシマがプラモデル化した「エレトラック」のほか、「MIGHTY CAR」という商標が見られます。1台だけ「ターレット」というネームが貼ってある車種も確認できました。ターレットトラックの世界は思ったよりも深いようです。

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「ARTPLA 飼育員とシロサイセット」に付属しているターレットトラックはハンドルの角度、運転手の右足下のペダルなど、実物を取材した形跡が随所に残る(画像:海洋堂)。

 まずは、気になった「MIGHTY CAR」という名前を検索してみると、関東機械センターという会社のサイトに行き当たりました。商品名は「マイテーカー」が正しいようです。電動車およびエンジン車、天然ガス車など、「マイテーカー」は現在6種類も販売されていることがわかりました。しかも、「仕様:青果」というもののほかに、車体を強化した水産仕様もあるそうです。魚河岸で使われているのは、水産仕様ということになります。

 続いて、アオシマがプラモデル化した「エレトラック」を検索すると、三菱ロジスネクストという会社が見つかりました。この会社の旧名は日本輸送機株式会社、つまり「ニチユ」です。「エレトラック」のカタログを見ると、アオシマの「1/32 特殊荷役」シリーズでプラモデル化された「ニチユ エレトラック」は、まさに実物そっくりに再現されていることがわかりました。

【キューート!!】海洋堂が作った「動物園+ターレット」プラモ(画像で見る)

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