SLブーム火付け役“SL無し”でもなぜ人気 「SLやまぐち号」今の観光列車との決定的な違い

40年以上にわたって運行が続く観光列車「SLやまぐち号」。現在は車両故障のため、牽引車がディーゼル機関車に変更され「DLやまぐち号」になっていますが、その人気は衰えません。何が人々を引き付けているのでしょうか。

“DL”になっても変わらない「普通の列車感」だがそれがいい!

 運行日は、午前に新山口駅を出発する「DLやまぐち号」の入線を眺めるため、一番ホームで待ち構える人々の多さは変わらず。実はこのDL(DD51)も今や全国で残り10両、うち今でも動いているのは「DLやまぐち号」と鳥取・後藤操車場の構内入替用などに限られます。ディーゼル機関車はSLと違って保存・復活運行されることは少なく、これはこれで貴重です。

 乗車した2022年11月の休日は、1週間前にはすでに窓側の席が埋まるほどの人気ぶり。そして車内では子連れの家族や友人たちのグループが目立ちます。3世代でボックスシート(4人掛け)2つに分かれて乗り込む大家族の姿は、40年以上にわたって運行を続けてきたこの列車ならではでしょうか。なお車内では食事の販売がないため、新山口駅で販売されている「SLやまぐち弁当」が飛ぶように売れていきます。

 新山口駅を出た「SLやまぐち号」は最初の20分ほどは市街地を走り、山口駅を過ぎると山岳部へ。このあと2時間近くは山の中をひたすら走り抜けていきます。

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津和野駅前に展示されているD51 194。40数年前の山口線のSLさよなら列車を牽引した(宮武和多哉撮影)。

 近年の観光列車は、各駅で長時間停車や地元の人々による熱烈な歓迎、産品の販売などを行いますが、この列車は目立った歓迎はなく、途中の長時間停車も仁保で6分、地福で14分のみ。特別なものは何もなく、至って普通の観光列車の雰囲気をゆるゆると楽しむ事ができるのです。険しい峠の先に突然見えてくる街を観察するのも良し、徳佐駅周辺に広がるりんご園を眺めるのも良し。

 車内は3号車ラウンジに機関車の運転台レプリカなどが展示されているほか、売店では石炭をイメージして焼き上げた「石炭ワッフル」や地ビールの購入も可能。2018年にリニューアルが行われたばかりの「レトロ客車」車内は、携帯を充電するコンセントもついて、まったりと時間を過ごすには最適です。

【DLでも絶対楽しい】やまぐち号の路線図/車内/旅の風景(写真で見る)

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