SLブーム火付け役“SL無し”でもなぜ人気 「SLやまぐち号」今の観光列車との決定的な違い

40年以上にわたって運行が続く観光列車「SLやまぐち号」。現在は車両故障のため、牽引車がディーゼル機関車に変更され「DLやまぐち号」になっていますが、その人気は衰えません。何が人々を引き付けているのでしょうか。

山口県・島根県 どちらにも貴重な観光列車

「SLやまぐち号」の終点・津和野は島根県西端の一大観光地として知られ、江戸時代に津和野藩の城下町であった街並みを散策する事ができます。

 折り返しの新山口行きが発車するまで2時間以上確保されており、ゆっくり食事をとったり、レンタサイクルで街を散策したりできます。「SLやまぐち号」は“険しい山を走る列車の旅”“津和野での観光”をセットにした、効率よく楽しめる観光列車と言えるでしょう。また津和野で下車して、路線バスやレンタカーで萩方面に向かう人も目立ちます。

 しかし、この「SLやまぐち号」「DLやまぐち号」も、前述の車両故障だけでなく災害にも悩まされてきました。特に2013年7月の集中豪雨では山口線そのものが1年間に渡って運休。津和野町の観光に大きなダメージがあったといいます。それでも、翌年の再開後にほどなく客足が95%程度にまで回復し、毎年のように乗車する人々もすぐ戻ってきたそうで、根強い支持が伺えます。

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津和野駅では「DLやまぐち号」を太鼓や踊りで歓迎してくれる(宮武和多哉撮影)。

 現在はSLをメンテナンスできる業者も限られ、各地でSLの運行終了が発表されるなど、その環境は年々厳しさを増しています。しかし40年以上ものあいだ「普通の観光列車」として毎年訪れる人々を集め続ける「SLやまぐち号」は、「DLやまぐち号」になっても十分に楽しめそうです。

【了】

※一部修正しました(2月28日11時27分)。

【DLでも絶対楽しい】やまぐち号の路線図/車内/旅の風景(写真で見る)

Writer:

香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。

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