若者には通じない? 「キセル乗車」の意味とは 100年前には使われていた

「おじさん用語」ではないものの、若者に伝わらなくなっている言葉のひとつに「キセル(乗車)」があるようです。鉄道での不正乗車の意味ですが、なぜこのように呼ばれるようになったのでしょうか。

新幹線でキセル乗車、男性ら書類送検

 記憶に新しいところでは2021年1月、アイドルファンの男性が品川駅の改札を入場券で通過して東海道新幹線に乗車、名古屋駅へ向かい、そこで別の男性が名古屋駅の入場券を手渡し同駅の改札を通過、出場という事案がありました。品川~名古屋間の運賃や料金を払っておらず、紛れもない犯罪行為であり、男性らは鉄道営業法違反容疑で書類送検されています。

 ちなみに不正乗車に対しては、鉄道営業法や鉄道運輸規程により、鉄道会社はその区間の運賃に加え、2倍以内の増運賃を請求することができます(合計で3倍以内の金額。特急料金なども含む)。悪質な場合には、さらに建造物侵入容疑などを受けるケースもあるようです。

 さて「キセル(乗車)」という言葉が誕生した時期ですが、明治時代の京都鉄道(現:JR山陰本線)社員だった山内覚成氏が1925(大正14)年4月に発行した追想録に、「煙管乗り」という項目があります。山内氏は「不正乗客といふ者は、浜の真砂と同様……紳士にでも、宗教家にでも、教育家にでも……昔も今も盡(つ)きる時はない」と語っており、「煙管」が不正乗車の代名詞として100年近く使われてきたことがうかがえます。

 現代では、例えば空いているからといって指定券を持たずに有料座席列車を利用するといった行為も見られますが、広義では「キセル乗車」に当たります。サービスの対価を支払うというのは、言うまでもなく当たり前のことなのです。

【了】

【つまり…】「キセル乗車」の構造を図解

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