「JR東日本初の特急車両」ついに勇退へ 車両の保存はある? 3月改正で定期運用消滅
「スーパーひたち」や「草津」などで30年以上活躍したJR東日本初の特急電車である651系がついに勇退。2023年3月のダイヤ改正以降は定期運用が無くなりました、今後はどうなるのでしょうか。
3月改正で高崎線特急から引退。4月に「惜別撮影会」も。
2023年3月18日(土)のダイヤ改正で、高崎線方面の特急「草津」や「スワローあかぎ」「あかぎ」で使用中のJR東日本651系電車の定期運用が終了。JR東日本初の特急車両として、30年以上にわたって活躍してきた車両が、いよいよ勇退を迎えました。
651系は、常磐線を走る「スーパーひたち」用の特急車両として、JR発足後まもない1989(平成元)年に登場。全国で似たような形のいわゆる「国鉄型特急」車両が走っていたなかで、鮮烈な姿は人々に新時代を強く印象付けました 。
常磐線特急に後継のE657系が投入されると徐々に置き換えられていき、2013(平成25)年に常磐線から完全撤退。24年間の活躍を終えました。
その後651系は「草津」や「スワローあかぎ」「あかぎ」用として転属。また、観光列車「伊豆クレイル」でも使用されました。651系は交直流電車として製造されましたが、高崎線特急への転属後は直流電化区間のみを走行することとなり、それに合わせた改造が施されています。外観も変更が加えられ 、新たにオレンジ色のラインが客室窓の下に入れられたほか、パンタグラフが菱形からシングルアームに変更されたことが、常磐線時代との識別点となっています。
「第二の人生」を続けてきた651系ですが、今回のダイヤ改正で房総特急で使用されていたE257系が高崎線特急にも投入されることになり、押し出される形で定期運用から退きます。651系は数少なくなった「3列シートのグリーン車」を連結していますが、E257系は全車が普通車となるため、高崎線特急からグリーン車の設定がなくなります。
ついに定期運用を失うことになった651系。4月には、JR東日本大宮支社が惜別企画として651系4編成を並べた撮影会を開催する予定ですが、その後はどうなるのでしょうか?
JR東日本が公表している「春の臨時列車」の運行予定を見ると、651系が充当される列車はありません。651系の今後について、JR東日本によると「今後、イベント列車で走行する可能性はあるが、現在のところはそうした予定はない」(大宮支社企画総務部)そうです。JR東日本初の特急車両として、鉄道博物館などでの保存も期待されるところですが、「車両の保存については現時点では未定」とのこと。
ダイヤ改正後、はたして乗車できる機会は訪れるのか、しばらく651系の動向にも注目が集まりそうです。
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