赤信号で止まるとプップー!「左折可」標示板が消えていくワケ わかりづらいだけじゃない問題

車にゃうれしい「左折可」なぜ減っている?

 奈良県警の場合は、「左折の流入部に横断歩道がない」「流出部が交差道路の直進車と交差しない」「交差する両方の道路とも片側2車線以上」などの条件に合う交差点で常時左折可を実施。2019年の時点では、流入部に横断歩道があって「左折可」としていた交差点などで、順次廃止しているとしていました。

 このような場所では、歩行者がいてもなかなかクルマが停まってくれないのだそうです。「左折可」が採用されている他地域でも2000年代以降、歩行者保護を重視した施策のなかで規制が見直されています。

 また、「左折可」の交差点は構造によっては、直進しようとする自転車が左折レーンの右側の直進レーンに移ると、道路交通法違反になってしまうという不合理が生じます。そのため、2010年代以降に「自転車は車道が原則」の徹底が打ち出されるなか、自転車がキープレフトを保てない常時左折可の規制を見直す動きもあります。

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奈良市「県庁東」交差点。3方向に「左折可」標識があったが廃止された(画像:Google)。

 東京でも「左折可」の交差点はいくつかあります。比較的多くの人が見ていると考えられるのは「環八東名入口」「環八中の橋」交差点でしょう。それぞれ東名高速の東京IC出口、中央道の高井戸IC出口から環八通りの北行きへ合流する箇所が常時左折可です。

 これらは、左折レーンが交差点手前で直進レーンから分岐しており、もともと直進方向の信号に従うべきか迷うことは少ないかもしれません。しかし環八中の橋交差点や、青梅街道の「四面道」交差点では、途中に横断歩道があります。一方、環七通りなどでは、同じ構造で「左折可」ではなく「一方通行」の標識になっているところも。確かに、この差異はいまいち分かりづらいかもしれません。

 なお、「環八東名入口」交差点は以前、環八通り北行から東名IC入口への方向も常時左折可でしたが、こちらは左折矢印信号となり、他のレーンと同じラインに停止線が引かれた一般的な構造に変更されています。

※一部修正しました(2023年3月23日10時56分)。

【了】

【え…赤信号で止まるな!?】「左折可」交差点の構造(図で見る)

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コメント

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1件のコメント

  1. 看板で左折可を出すのなら独立してじゃなくて前方の信号機下の
    方向指示信号のある場所に看板で常時左折の矢印出せばいいのにね

    それなら見間違うドライバー減るだろと思うんだが