「ロシア早よ兵器を渡せや!」対中包囲網 “クアッド” の一角インド 西側兵器メインじゃないワケ

2023年3月24日、インド空軍がロシアに発注した兵器が、期日を過ぎたにも関わらず届いていないということが報道で明らかになりました。最近は西側陣営との関わりも深まっている同国ですが、なぜロシア製兵器が多いのでしょうか。

冷戦期、米国がパキスタンを支援したのがきっかけ

 2023年3月24日、インド空軍がロシアに発注した兵器が期日を過ぎたにも関わらず届いていないという問題が、ロイター通信やインドメディアの報道により明らかとなりました。原因は、2022年2月から始まったロシアによるウクライナ侵攻だといわれています。

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インド空軍のSu-30戦闘機(画像:インド空軍)。

 インドといえば、日本、アメリカ、オーストラリアと共に中国を念頭に置いた外交的取り決めであるクアッドの参加国であり、「自由で開かれたインド太平洋」で重要な役割を持つ国です。ゆえに最近では、いわゆる西側陣営に近い国と思われがちですが、なぜ西側ではなく、ロシア製兵器を数多く導入しているのでしょうか。その端緒は、第2次世界大戦終了後に始まった、米ソ冷戦時代の初期にありました。

 ロシアとインドの関わりは、ソ連時代の1956年にインドの製鉄所建設を援助したことから始まります。その後も、ソ連はインフラ整備や技術援助などを積極的に行います。当時のインドは建前上、東西冷戦において米ソどちらの陣営にも属さない、いわゆる第3世界に属する国でしたが、イギリスから独立してまだ10年程度であり、経済的に安定していませんでした。ただ、アメリカは当初、特定の他国産業を大規模に援助するのは否定的であったため、インドにとってソ連が重要な援助元となったようです。

 こうしてソ連と接近したインドが、兵器もソ連製中心となった決定的なきっかけが、1961年に起きます。ソ連に接近したインドをけん制する目的でアメリカは、隣国のパキスタンに、当時最新鋭の戦闘機だったF-104「スターファイター」を供与したのです。その結果、パキスタンと対立関係にあるインドは、パキスタンへの対抗策としてソ連から最新ジェット戦闘機MIGー21を供与してもらいました。

 さらにインドは、パキスタンと同じく国境を巡って対立している中国、そしてパキスタンを援助しているアメリカをけん制するため、第3次印パ戦争が始まる直前の1971年7月、「インド・ソ連平和友好条約」を結びます。

 これは友好条約ではあるものの、条文には「両国のいずれかが攻撃ないし,その脅威を受けた場合,脅威を除去し,平和と安全保証に効果的な措置について相互協議を行う」と、共同防衛条項ととれる内容が盛り込まれており、実質的には軍事条約色が強いものでした。ここに両国間の協力関係は明白になります。

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コメント

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1件のコメント

  1. 今のロシアは自分ところの平気の製造もままならないんで、インドに届いても不良品である可能性もあるよね。
    なので、中国とインド。どちらがコピー能力が高いか競争してはどうでしょう。生真面目な性格ならオリジナルを超えるんじゃないのかな。インド人って頭が良い人いっぱいいるんでしょ?。