狙いは売り込みだけじゃない 英BAEシステムズが新型フリゲートにかける期待とその理由

「DSEI Japan」にて英BAEシステムズは、開発中の新型フリゲートを出展しました。海上自衛隊におけるそのクラスの艦艇建造は国内企業の牙城であり、そこへ切り込みをかけるのか……と思いきや、真の狙いは別のところにありそうです。

日本の展示会への出展は輸出が真の目的にあらず?

 それでは、BAEシステムズはなぜこのASFを日本の展示会に持ち込んできたのでしょうか。実は、その狙いはこの艦艇そのものの輸出ではなく、もっと深いところにあります。それが、日本の防衛産業とのコラボレーションです。

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ASFは、艦内のレイアウトを変更することで、たとえば特殊部隊の上陸も支援できる(画像:BAEシステムズ)。

 BAEシステムズの担当者によると、たとえばイギリス海軍が32型フリゲート計画をキャンセルした場合でも、ASFの意義が消滅するわけではないといいます。というのも、このASFというコンセプトそのものを用いて、日本を含めた他国の海軍や防衛関連企業と連携し、協力することができるためです。今後の技術革新を見据えた艦艇のコンセプトや、それを実現するための技術やノウハウを基に他国の防衛産業と連携することができれば、将来世代の新たな軍艦を共同して建造することも可能となります。

 さらに、BAEシステムズは艦艇の設計や技術開発を行うだけではなく、それを販売するためのサプライチェーンも有しています。そこで、日本の防衛産業との連携とは、単なる設計や技術面での連携にとどまらず、サプライチェーンも含めた連携になると筆者(稲葉義泰:軍事ライター)は考えます。たとえば現在、日本、イギリス、イタリアの3か国が共同で進める次世代戦闘機開発計画である「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」は、その好例といえます。

 他国の防衛関連企業と連携し、日本で製造された各種装備やパーツを、サプライチェーンを通じて海外に輸出することができれば、昨今話題の防衛産業の再建にも大きく寄与することになるでしょう。

【了】

【画像】BAEシステムズが公開した「ASF」のイメージをもっと見る

Writer:

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

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