元キャバ嬢タクシー運転手に"カスハラ体験"聞いたら壮絶すぎた…人はどこまでカスになるのか 「対策3か条」とは?

元キャバ嬢タクシー運転手の「ワースト・オブ・カスハラ」

 村瀬さんが体験した「ワースト・オブ・カスハラ」といえるのが、10年以上前にあった酔客とのこと。経緯は、まず酔っ払って乗車してきた客に対し、目的地付近に来たところで声掛けすると常に「まっすぐ」。路地や交差点のたびに進む方向を聞くものの、その都度「まっすぐ」しか言わなかったのだとか。

 そうこうしているうちに当初の目的地から離れてしまったため、変だと思いクルマを停め「だいぶ過ぎてますが大丈夫ですか?」と後席に声がけすると、客は寝ており、これまでの指示はすべて寝言だったんだそう。

 ようやく起きた客の第一声は、案の定「どこだココ! 遠回りしやがって!」。理不尽ながらも客の指示でここまで来たことを丁寧にかつ毅然と説明するも、客は「遠回りされた!」の一点張りだったと言います。

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愛車のハンドルを握る村瀬沙織さん。若かろうが、女性だろうが、クレーマーには原則一人で対処しなければならない(雪岡直樹撮影)。

 最悪な雰囲気のなか、当初の目的地に到着すると、今度は料金を支払ったあとで説教が終わらない。このまま拘束が続くと次の仕事ができないので、理不尽ではあるものの、とりあえず謝ってこの場を終わらそうとするも、謝っても謝っても解放されず。そこで最終手段として警察に助けを求めるも、料金不払いでもなくただ降りないだけでは何もできないと警察官も傍観するだけだったそうです。

 そうこうするなか、この客が実は地元企業の社長で、保護司や慈善活動も行っており社会的地位が高い人物だということが判明。そのような人が「この運転手は態度が悪い」と言うので、村瀬さん(運転手)の言い分を警察官が聞くことはほぼなく、「あとは当人同士よく話し合って」と告げて去っていってしまったんだとか。

 その後「社長を呼べ」と大騒ぎ。タクシー会社の社長が来たことで振り上げた拳を下ろすかと思いきや、客の家に上げられ、応接間で説教と客の自慢話を1時間以上延々聞かされ、“嵐”が過ぎ去り村瀬さんが解放された頃には、太陽が昇っていたのだそう。

 このときは、まだタクシーにドラレコが付いていなかったため、事実を証明する手段がなかったことが本当に悔やまれたと言います。客の不退去はたまにあるものの、この不退去からの長時間拘束監禁は村瀬さんのタクシー人生で最も悔しく印象に残っているカスハラだと語ってくれました。

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コメント

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1件のコメント

  1. 客が行き先をタブレットに入力して、自動で経路を複数選択。それ以外もGoogleマップのように経路を変更できるシステムがあればいいのに。
    そして所要時間と料金をその場で決め、決済したら走行開始。客が納得しないのであれば降りて頂くってことはできないんでしょうかね。
    後からだと客がゴネるでしょけど、最初に自分で決めた経路で、最初に表示された金額で決済してしまい、途中で降りても返金できないとか、そういうこともできるかと。
    必ず、実走行によるメーターで到着時に払っていただくというシステムが古いのでは?。最初に値段を交渉して乗ることもできるでしょ。現行の料金システムって時代遅れですよね。途中で渋滞しても料金変わらずであれば文句はないでしょう。でも、タクシードライバーによってはズルをする人も居ますよ。

    先払いが可能なようにシステム変更を希望。