戦車の燃費はどれくらい? タイヤ駆動の「16式機動戦闘車」ならもっといい? 高速道路も走れるけども

最近、SNSなどを始めとして公道上での目撃例が数多く上がるようになった16式機動戦闘車ですが、タイヤ駆動で高速走行できるということは、燃費も戦車よりいいのでしょうか。元自衛官ライターがトラックの燃費などから推察します。

自衛隊もすべてが防秘なわけじゃない!

 創隊以来の大規模な組織再編を推し進めている最中の陸上自衛隊。その象徴ともいえる装備が「16式機動戦闘車」です。この車両は戦車に似た外観であるものの、足回りは履帯ではなくタイヤ駆動のため、一見すると戦車よりも燃費が良さそうに思えます。実際のところはどうなのでしょうか。

Large 230414 nenpi 01

拡大画像

陸上自衛隊の16式機動戦闘車。戦車よりは燃費が良いものの、一般的なトラックと比べればとうぜん燃費は悪い(武若雅哉撮影)。

 そもそも、自衛隊車両の燃費データについてはほぼ公表されていません。特に、戦闘車両に関しては燃料の搭載量も含め、そういった類の数値はそのほとんどが明らかになっていないのが現状です。しかし、様々な数値から推測することは可能で、その指標の一つとして考えられるのが、データが公表されているソフトスキン車両と、同型のエンジンを積んでいる装輪装甲車です。

 たとえば、陸上自衛隊で最も多用されているといえる、いすゞ製の「大型トラック(3 1/2tトラック)」の場合、公表されている仕様書データによると、変速段数(AT)第5速で50km/hにて走行した場合は約3.5km/Lという燃費になります。同条件でトヨタ製の「中型トラック(1 1/2tトラック)」は6.5km/L、三菱製の「小型トラック(1/2tトラック)」は変速段数(AT)第4速で60km/hのときには10km/Lとなっています。

 もちろん、演習場などの不整地走行や荷物を積載した際などではこの数値よりも悪くなりますが、その一方で全日本トラック協会が公表しているデータでは、大型トラックで3~3.5km/L、中型トラックで4~5km/L、小型トラックでは4.5~6.5km/Lと公表されていることから、空荷であれば自衛隊トラックも民間トラックとほぼ同じ様な燃費性能だということがわかるでしょう。

 なお、高機動車に関しては、民生品として過去販売されていたトヨタ「メガクルーザー」の燃費を参考にすると、おおむね6km/L前後になることから、こちらも数値から大きく外れることはないといえそうです。

 では、注目の16式機動戦闘車の燃費はどれほどなのでしょうか。

【画像】えっ…これが戦車や装甲車の「燃費」です

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

1件のコメント

  1. 鉄は重くて硬いは常識としても、樹脂がプラスチックで軽い車体(または装甲)の洗車を作れれば燃費の問題も変わってくるのでは。爆発に耐えるから被弾したら弾く。もしくはブロック構造でその部分だけを交換したり再整形できるとか。無論、エンジンや砲身などの光熱に耐えうるパーツにはそれなりに金属を使うことになるでしょうが、銃火器でさえも樹脂製のものがあるわけで、車両総重量の重さを樹脂で軽減する時代が来るかもしれないですね。
    確か士郎正宗先生のドミニオンで登場する戦車も強化プラスチック製ですし、強度を全て硬い鉄で補うよりも、強化繊維を樹脂で固め、エンジンの代わりにモーターで駆動する洗車が登場しても面白いでしょう。